勝ち続けるということ。
プロゲーマー、梅原大吾さんをご存知でしょうか。
知らないという方、まずは下の動画をご覧下さい。(かっこいいです。)
上の動画にも少し出てきましたが、梅原さんの名が知れ渡った「背水の逆転劇」と言われる有名な戦闘シーンについて、こちらでそのすごさを解説してあります。
Street Fighter Umehara Daigo History 2010 (English Subs) FULL TRANSLATION Part 1
「背水の逆転劇」の対戦動画はなんと、全世界で2000万回超の総視聴回数に達したそうです!
私が梅原さんを知るきっかけとなったのは、ブロガーちきりんさんの記事でした。同じく掲載されていた対戦動画を見たとき、衝撃を受けました。
大会という緊張感、そして観客の興奮や期待、プレッシャー、様々な状況下の中で、あれだけのテクニックを発揮できるのは相当な技術があることはもちろん、並大抵な精神力じゃないな、この方は。と感じたのです。
ゲームにあまりピンと来ない人も、部活や習い事の大会や発表会、試験などの場面で持っている実力を全て出すことがいかに難しいか、ということを感じたことがあるでしょう。
そこで大切なのは、きっと、実力だけでなく、いかに心を落ち着かせて最大のパフォーマンスを出せるかという、精神面の影響が大きいのではないでしょうか。
「勝つこと」、「勝ち続けること」
そんなわけで、梅原さんとはいったいどんな人なんだろう、と興味を持ち『勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)』を読ました。もちろんKindle版で。(Kindle版安かったです。)
(本版もありますが。→勝ち続ける意志力 (小学館101新書) )
この本では、「勝つこと」と、「勝ち続けること」が、実はぜんぜん違うことであり、時には相反するものにさえなるということがわかります。
大会に参加する多くのプレイヤーは、結果を出すことに必死になります。大会に向けて練習を重ね、その結果に一喜一憂します。
しかし、梅原さんにとっては大会で勝つことが全てではないのです。勝つことではなく、自分自身が成長し続けることを人生の目的にして、努力を続けているのです。だから、大会の結果で大きく喜んだり、落ち込んだりすることはあまりないと言っています。
それよりも、努力の過程で得られる小さな成長や変化を大切にしており、そのスタンスを継続することが、結果として「勝ち続ける」ことに繋がっているのです。
そういった人生観や、努力をし続けたという揺るぎない自信を持っているから、大会でも場の雰囲気に飲み込まれずに、動画にあるような驚愕のプレイをすることができるのだと思います。
Adversity makes a man wise.(艱難汝を玉にす)
これと同じことが、他の様々なことにも言えるのではないでしょうか。
目先の成果を出すことに集中するのではなく、長期的な視野をもって取り組んだことのほうが、結果として大きな成果に結びつくように感じます。
例えば、普段勉強をあまりしない人でも、一夜漬けをがんばればテストでいい点数を取れるかもしれません。でも、それは「テストでいい点を取る」という目先の成果にこだわっただけで、自分の本当の実力としては、なかなか身につかないのではないでしょうか。
それよりも、継続した努力を普段からしている人の方が、地道に力を蓄えて、結果として人間的に大きな成長ができるのだと思います。
楽な道を選んで、結果を出せることは一見魅力的です。しかし、長期的な成長に重きを置くのであれば、そのような道は選ぶべきではないのでしょうね。そんなことを梅原さんから気づかされました。