【総まとめ】社会人7年目までの独立活動

はじめに

 気づけば、新卒入社した会社を退職してから2年半近く経っており、社会人として自分が何年目なのか気にする機会が殆どなくなったのですが、改めて数えると7年目に突入していました。

 これまでの私の職歴としては、大学卒業後に大手SIerで4年間システムエンジニアとして勤務し退職。その後起業活動を経て2015年からフリーランスとして独立しました。そしてこれまでエンジニア業を中心として活動してきましたが、その間起業も経験しました。

 会社員時代から自分のキャリアや生き方について模索しながらも行動をし続けてきたと思っているのですが、ここ最近、改めて自分が何をしたいのか、これからどう生きて、どう働いていきたいのかを見つめ直す人生の岐路に差し掛かっていると感じています。

 そこで、これまでの社会人7年間の活動を振り返りつつ、これからの方向性について整理し、まとめることにしました。

 キャリアや生き方に不安や悩みを抱えている人にとって、ロールモデルになる点や反面教師になる点など、何かしらの参考になれば幸いです。 

目次

  1. 就職と会社員時代
  2. 社外活動
  3. 退職
  4. 起業活動
  5. フリーランス
  6. 起業
  7. 再びフリーランス
  8. これから

就職と会社員時代

 まずは、遡ること就職活動から。

 大学3年の10月、サークルを引退してから就職活動を開始しました。就職活動をするまで仕事について真剣に考えたことがなかったこともあり、あらゆる業界の100社以上の説明会に参加しました。

 それでも特段やりたいことがなかったので、本当にやりたいことは社会人になってから見つけようと決めました。なので、広く世の中に関われるという観点でIT業界、その後のキャリアの選択肢が広がるような仕事という観点でシステムエンジニアという職種に興味を持ちました。

 高校進学の際には高専に、大学進学の際にはコンピューター系の専門に行きたいと考えたことがあったことを思い出し、卒業後に改めて専門学校に行くのも考えましたが、就職活動の中で文系卒でもシステムエンジニアになれることや、大手であれば研修制度がしっかりしていることを知って安心し、大手SIerに入社することにしました。

社外活動

 入社後、3年目ぐらいから仕事にも慣れて余裕が出てきたころ、ふと同じ職場のおじさん達を見て、自分の20年後が見えた気がしました。

 「こんな仕事をして、これぐらいのお金を稼いで、こんな毎日を送って。。」その将来のイメージに、正直ぜんぜんワクワクしませんでした。多分、この毎日の延長線上にはそういった将来がある。もしそれが嫌なら、何か行動しなければ!そういった焦燥感に駆り立てられました。

 と言っても何をしたらいいかわからず。とりあえず何か趣味でも見つけて職場と家の往復の毎日を変えようと思い、料理・サックス・スイミング・絵画など習い事の体験をしたり通い始めたりしました。

  そうやっているうちにフットワークが軽くなり、その時読んでいた本の著者、家入一真さんが登壇するイベントに仙台からの出張帰りの足で向かったりしました。そこで登壇していた、はあちゅうさんや安藤美冬さんという方を初めて知り、ノマド?なにそれめっちゃいいじゃんと憧れたりしました。

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Discover社のトークライブ「U25 FESTIVAL」2012.11

 もしかしたらこの世界には自分が知らないだけで、いろんな働き方をしている人がいるんじゃないか?と視野が広がったことを覚えています。

 そこからはこの記事で書いたトレンダーズのイベントに参加したり、「87年会」という同世代コミュニティのイベントに参加して、同世代で起業家やフリーランスをしている人に初めて会ったりして、焦りと刺激をたくさん受け取りました。

 そのうちに、自分が受けた刺激を与える側になりたいと思い、87年会の運営に加わりました。そこでは、会社でやっていたプロジェクト管理のスキルがイベント運営で活かせることや、バックグラウンドの違う同世代の人たちと一緒に活動することで、自分の強みを客観視することができたように思えます。

 また、普段の仕事ではできない役回りを果たせること、思いついたことをどんどん実験的に試せることが楽しくて、自ら企画し、人を巻き込み、ダイレクトに参加者からフィードバックがもらえることに面白さを感じていました。

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87年会で25歳を祝ったイベント「Happy Quarter Of a Century」

 一方、様々な人と出会うことでビジネスの誘いも来るようになり、興味を持ったことには首(と金)を突っ込みました。

 しかし、どれも初期投資すらまともに回収できず、自分は単なるマネーゲームにはモチベーション持って取り組めないことがわかりました。ただ、「自由な働き方」への憧れは強くなり、会社に依存するのではなく、個人として自立した存在になりたいと思うようになりました。

 その時、TWDW(Tokyo Work Design Week)という働き方のフェスイベントがあるのを知り、ボランティアスタッフとして参加しました。

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TWDW 2013 スタッフの皆さん

 そのプログラムの一つに、サイバーエージェントがやっているSHAKE100というイベントがあり、スタートアップ起業家4名が登壇していました。

 その頃、なんとなくU25スタートアップ起業塾というものに通い始めていたこともあり、漠然と起業家という道も選択肢にありましたが、登壇者の一人が言った「起業家は自由だ。やることも、働く人も、働く場所も自分で決められる」という言葉に、起業家こそが最も自立した存在となれる職種ではないかと思い、起業家になろうと決意しました。

退職

 その頃、会社では社長直下の新規プロジェクトへの募集があり、上司から手を挙げてみてはどうかというお誘いがありました。

 この会社でやっていくなら紛れもないチャンス。とりあえず興味ありますと言ったものの、本音として心からやりたいと思えない自分がいました。

 そしてここで本気で手を上げられないのなら、今後もこういうチャンスを活かすことができないだろうと思いました。仕事は社会人生活の中で最も時間を割くものなのに、それに本気で取り組めないのだとしたら、自分は何のためにこの会社にいるのだろう?そんな気持ちになり、もはやこの会社で自分が働く意味はないなと思いました。

 お誘いから一週間後(のクリスマス)、プロジェクトへの参加は辞める旨、そして会社を辞める旨を上司に伝えました。

 退職前に新規事業提案研修があり、所属チームで銀賞を受賞しました。私個人としては、いろんなイベントでプレゼンを見ていたのが功を制し、プレゼンの展開や見せ方を工夫できたこと、苦手意識のあった人前で話すこともプレゼンだと自信を持ってやれることを発見したことは大きい収穫でした。

起業活動

 とりあえず退職したものの、何をするか特に決めていなかったので「Startup Weekend 」という起業体験イベントに参加しました。そのイベントの模様はこの記事に書いています。

 当初はピッチ(プレゼン)する気がなかったものの、その場でやっぱりやってみようと思えたのも、退職前の研修で成功体験があったからだと思っています。

 自らのアイデアに人が集まり、どんどん形になっていく。その過程の熱狂体験を味わいました。結果優勝することができ、その時のアイデアの事業化を目指すことにしました。

 続いて、そのアイデアで「TOKYO STARTUP GATEWAY」という東京都が主催する起業家コンテストに出場し、4か月に渡る選考を進んでセミファイナル進出という好成績を残すことができました。

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TOKYO STARTUP GATEWAY ファイナルでのピッチ

 しかし、ここで自分の限界を感じました。

 その時やろうとしていた、イベントキュレーションサービス「DOTA-SAN」では、「良質なイベント体験を通じて、人生の選択肢を提示する」ことを目指していました。自分の原体験としても、イベントから多くの刺激を受けていたからです。

 そういった中、自分自身の生活は辛い状態にあって、本当に選択肢を提示することが良いことなのか自信がなくなって来てしまいました。

 選択肢を提示するっていうことは結構無責任な行為なんじゃないか、実はその後のサポートこそが必要なんじゃないか。ついにはそんな疑問を払拭することができませんでした。

 生活費枯渇もあり、日雇いで肉体労働、海の家、1日バー店長をやったり、初心者向け社交ダンスのイベントや、「"アイデアはあるけど、技術がない人"と"技術はあるけど、アイデアがない人"のマッチングイベント」をやったりもしました。

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主催したアイデアと技術のマッチングイベント「Azabu Idea Spark Salon」

 そして、以前から興味のあったデザインを学びたいと思ってWEBデザインの職業訓練学校に通い、そこで覚えたスキルでなぜか歌舞伎町のホストクラブグループでデザイナー兼ボーイとして働きました。

 その後、体調を崩したことをきっかけに自分の状況を冷静に見ることになります。

 それまでの経歴がまともに通用しない世界で1年近く、様々な非正規雇用の仕事を経験したり、悪環境で働く人たちを見て、大げさかもしれないけれど格差社会を目の当たりにしたように感じました。一体、会社員生活がどれだけ恵まれていたのかと。

 改めて、人生をどう設計していくのかという、ライフキャリアデザインの重要性に気づけました。

 また、自分の中にある何らかの才能が発揮されるかもしれない、そんな気持ちでいろいろとやってみたけれど、自分がまともに稼げるのは結局エンジニア業しかないんだということを痛感しました。

 何をやるにしても、まずは稼げる土台がないと本当にやりたいことに注力することができない。また、サービスのプロトタイプぐらいは自分で作れるようになりたい、そんな悔しい思いを持って、スタートアップ(起業)を念頭にフリーランスのエンジニアとして活動を始めることにしました。

フリーランス

 仕事を始めるにあたっては、PROsheetというフリーランスエンジニア向け仕事紹介サービスを利用させてもらいました。(インタビュー記事

 幾つかの会社と面談をして、六本木ヒルズのネットベンチャー企業にお世話になることになりました。なんとか生活を立て直したいと考えていた自分としては、以前のようにホワイトカラー(完全に私服だけども)なオフィスで働けること自体が本当にありがたかったし、早くこのチームに貢献できる力を身に付けたいと最初の方は利益度外視で働きました。

 慣れてきたころには、お菓子のBAKEのハッカソンアクセラレータープログラムに参加して、サービスを作りたいモチベーションがどんどん高まっていきました。

 その頃はプログラミングの勉強も兼ねて「一人カヤック」と称して、どんどんWEBサービスを量産していこうと考えていました。(処女作:死にたいツイートを集めたWEBサービス「Alone」

 そんな時、起業家コンテストの同期と再会し、私個人の掲げる「自分の人生に主体的に生きる人を増やす」というビジョンと同期のビジョンが根底の部分で繋がっていたため意気投合し、起業活動を開始することになりました。

起業

 当初私は自分の仕事や個人開発をやりつつ、あくまで手伝いという立場で関わる予定でしたが、一緒に進めるに連れて同じ熱量を持って活動できる人がいることへの嬉しさからコミット量が増し、ついには共同代表という形で「個人がライフキャリアを主体的にデザインし、それに合ったパートナーと共に歩める社会の実現」というビジョンの元、ソーシャル・スタートアップを目指す社会企業towaを設立することに至りました。

 活動拠点としては、リクルートが運営するコミュニティスペース「TECH LAB PAAK」に会員選定いただけました。肝心のサービスを詰めるにあたっても、デザインシンキングとリーンスタートアップを組み合わせた「サービス・スタートアップ」の手法を用いて、適宜ユーザーセッションなどを開催させていただくのにとても助かりました。(この辺のサービスデザインの話は学びが大きかったので、別記事として改めてまとめたいと思います)

 そうして大まかなサービスの方向性が決まり、アクセラレータープログラムにも通過してやっとサービス開発が始まるというタイミングになって、共同代表との方向性が合わず、それ以上一緒に進めていくことが困難な状況となってしまいました。

 当初からメンバーの個人ビジョンと会社のビジョンを丁寧にすり合わせ、そういった齟齬は発生しないよう気をつけていましたが、ビジョン(Why)を実現するアプローチ(How)のところでどうしても馬が合いませんでした。

 私は当初スタートアップ的な進め方を望み、短期間でサービスを急成長させEXITを目指していきたいということを主張していましたが、共同代表の方は必要以上のスケールは望まなく、長期的にじっくりとサービスを育てていきたいタイプでした。

 共同代表はビジョナリーでしたが、それをどう実現するかという領域は私の方にパワーバランスがあり、こちらで主導権を持って進めすぎたことが最終的な破綻に繋がった要因の一つだと思います。

 また、ビジョン達成に向けて、そもそも「ビジネス」というアプローチを取ること自体に懐疑的な想いが強くなってしまったようなので、その後いくら歩み寄ったところで継続は厳しく解散は余儀なくされました。

再びフリーランス

 チーム解散後は、それまで設計したサービスを個人で、もしくは新たなメンバーを集めて進めていくという道もありましたが、私自身が共同代表の描くビジョンに強く惹かれていたのが大きかったので、それなしで進めていくことは、もはやあり得ませんでした。

 そんな時、とてもありがたいことに親交のあったスタートアップから声をかけてもらい、そちらにエンジニアの立場でハーフコミットさせてもらうことになりました。やはり、ここでも自分のビジョンに繋がる部分があったことが決め手となりました。

 昼はベンチャーで働き、夜はスタートアップで働く。そんな毎日を送ることになります。

 しかし、エンジニア業を担っていくことに対して日に日に違和感が増し、それが無視できない程になってきました。 

 そしてその違和感の正体についても分かってきました。

 それは、私は「誰のために働くのか」というWhoの要素に強いこだわりがあり、それと実業務との間でギャップが生じてしまっている、それこそが違和感の正体だと考えています。

 エンジニアの仕事では、特にtoBのサービスであるとユーザーは導入先企業の人になるし、フリーランスとして関わる直接のクライアントは、一緒に働くチームそのものだったりします。

 それだと、自分が大切にしている「Who」へ価値を直接提供できないため、自分が働くモチベーションにどうしても繋がりにくいのです。(その他、そもそも技術に対する興味が薄いというのもありますが)

これから

 気づけば、フリーランスになる際の動機であった「やりたいことに注力するための稼げる土台作り」と「最低限のプロトタイピングのスキル」は、ここ2年の活動の中で達成できていました。

 「自分の人生に主体的に生きる人を増やす」というビジョン実現に向けて、これまでDOTA-SANやtowa、個人開発してる「自分の強みでロールモデルを探せるサービス」など、WEBサービスやアプリというアプローチで考えてきました。

 しかし、そこだけにこだわる必要もないのかなと、ここに来て考えるようになりました。(そういったサービスだとマネタイズしにくかったという現実もあります)

 つまり、もっとダイレクトでシンプルに「キャリアや生き方に悩む人の心に火を付ける活動」をしてもいいのではないかと思っているということです。

 この記事を読んでお分かりのように、私はこれまで自分のやりたいことに対して試行錯誤を繰り返してきました。自分の生き方や働き方、仕事に対してたくさん悩み、考え、行動しては落ち込んだり、また立ち上がったりを繰り返してきました。

 だからこそ、同じように生き方や仕事に悩む人、自分のやりたいことや好きなことを仕事にしたいともがく人の苦しい気持ちは手に取るようにして分かります。

 私が幸せにしたい人は、きっとそういう人たちなんです。誰の笑顔が見たいか、誰の力になりたいかって言われたら、そういう人たち以外いないんです。やりたいことを見つけたり、本当に好きな事に向き合って自分の殻を破り、一歩を踏み出すその背中をそっと押すような活動をしたい。

 だから、今は俗に言うキャリアカウンセリングとかキャリアコンサルと言われるような領域に興味があります。(働き方・生き方を含めた広義のキャリア=ライフキャリアの領域)

 でも、それを本当に楽しんでやれるかどうかなんて実際にやってみないと分からないし、それを職業にするには資格を取るためにお金も時間もかかってしまう。

 もし資格を取って仕事を始めてから、「あっ、やっぱこれじゃない」なんてことも十二分にあり得るので、そこはリーン的に、まずはいまから実際にできる範囲で小さく始めてみたいなと考えています。

 いきなりエンジニアの仕事を辞めるわけではないし、実際にやってみた結果「やっぱりWEBサービスだ」となったら、元のアプローチに戻せばいいだけだし、「やっぱりここっちの道だ!」と思えたら次のステップにいけばいいだろうと考えています。

終わりに

 ここまで読んでいただき、ありがとうございます。いかがだったでしょうか?何か参考になるようなことがあれば嬉しいです。

 この記事を読んでくれた方で、もし自分の生き方やキャリアに対して悩みを抱えている方がいれば、喜んで相談に乗ります。

 私自身がまだまだ自分の人生を模索している最中ですが、ここに来るまで自分のやりたい事や好きな事を見つけるために様々な手法を試してきました。そういった実体験をベースに、アドバイスできること、力になれることはきっとあると思っています。

 例えば、やりたい事がわからない人にはその見つけ方や、大切にしている価値観や人生に影響を与えた原体験を一緒に探れると思います。やりたい事があるけどどう実現していいかわからない人には、その具体化をしたり、実現ステップを一緒に練ることができるでしょう。また、力になってくれる人を紹介することもできるかもしれません。

 起業活動を通じて学んだ、事業立ち上げ手法である「リーンスタートアップ」を個人のキャリア開発に適応した「リーンキャリア開発」という手法を提唱できないかななんてことも考えています。

 さらに、これまで5,000人以上の大企業・100人のベンチャー・数名のスタートアップなど大小様々な規模の会社で働いた経験や、正社員・フリーランス・経営者といった雇用形態を通じた実体験もありますので、理想のライフスタイルを実現するための働き方についてもアドバイスができると思います。

 私にとって身近な同年代(今年29歳)から下、若手社会人から大学生あたりには特に力になれるかなと思ってはいますが、それ以外でもちょっと相談してみようかなと思った方はFacebookででもお気軽にメッセージください。もちろん面識ない方からで大丈夫です。また、何か一緒に活動や仕事ができるかもというオファーも歓迎します。

 また、特に悩んではいないけど、共感した、応援したい、そういう気持ちを少しでも持っていただけたら、ぜひこの記事をシェアしていただければ幸いです。