Startup Weekendに参加したら、優勝した。(後編)
前編では、Startup Weekend Tokyo(以後SWT)への参加のきっかけから、ピッチ、そしてチーム結成という1日目について書きました。
Startup Weekendに参加したら、優勝した。(前編) - おちよブログ
今回は続きの2日目、3日目、そして全体のまとめという流れで書いていきます。
引き続き、会の雰囲気が伝わるように気を付けつつ、今後参加される方に向けて参考になりそうなポイントも書ければいいなと思います。
※使用しているイイ感じの写真は、山川ジャッキーさんが撮影したものです。
<目次>
(前編)
・Startup Weekendとは
・1日目
(後編)
・2日目
・3日目
・まとめ
<2日目>
<集合>
前日はチームで自己紹介がてら、遅くまで飲んでいました。
その際、「電源とかホワイトボードとか、たぶん席って重要だよね。」という話になったので、いい席を確保したいがために開始30分前ぐらいに早めにやって着ました。
ここはギロッポン
その甲斐あって、席は選び放題。
どの席も電源タップは設置されているようだったので、出入りしやすそうな入り口付近の席を確保しました。
2日目はーじまるよー
とりあえずメンバが集まるまで、1日目でピッチした自分のアイデアをペライチの事業企画書としてまとめておきます。
時間になると、運営側からアドバイスがありました。
おなじみ羽渕さん
それは、「1人以上に熱狂体験を提供すべし」というものでした。
そのための具体的なアクションとしては、以下があるとのことです。
1:外に出て人を探す
2:体験できるサービス(MVP)を生み出す
それはつまり机上の空論ではなく、
「ユーザに具体的な仮説検証を実施して、リアルな反応を集めること」
が大切なんだと理解しました。
そしてこのSWT、なんと3日間7食付きのため、食事も用意されるのです。
コーヒーも付いて、いい感じの朝食
<目標設定>
お腹も膨れたところで、まず最初にチーム目標と各人の個人目標を決めました。
これは前日の飲み会でも話になった点でしたが、ここで改めて、チームとして目指す先の目線合わせを明確にしておきたかったのです。
優勝するぞー
そして決まった目標は以下です。
チーム目標:
「納得できるいいビジネスを創り、優勝する!」
(ただし、審査員の好みは無理に追わない。プロダクトを創るのは目的でない。)
ちなみに私の個人目標は以下を設定しました。
「優勝という結果を残す。チームメンバの意見や考え方を吸収し、企画~MVP作成までの一連のプロセスを身につけ今後の活動に活かす。」
「MVP(Minimum Viable Product)」とは、事業仮説を検証する必要最低限の機能を持った製品のことです。仮説検証を繰り返すスタートアップでは、かなり重要なポイントです。
概念では理解していても、実体験としていまいち掴めていない部分だったので、そこら辺を実践で学びたいなーと思っていました。
続いて、前日に作成したチームのFacebookグループに加え、ファイル共有を円滑にするためにGoogleドライブでフォルダ共有したりと、環境周りを整備しました。
<早速のピボット>
そこからは、私の事業アイデアをベースに、参加9回目のベテランKさんにビジネスモデルキャンバスに落とし込んでもらったりして、検討が必要な箇所について話し合いました。
その結果、サービスありきでなく、顧客課題から考え直す必要が出てきたので、ブレスト的に洗い出しました。
ペタペタ
元々、イベント企画者とイベント参加者に向けたサービスを検討しており、チームメンバ自身がターゲットユーザーであったため、ここら辺はかなり順調に進みました。
顧客課題の再定義、そして解決手段となるサービスの全体像が見えたところで役割分担をし、早速仮説検証に向けたMVP作成に着手しました。
後々考えても、ここで当初のプランにこだわらずに「イベント開催のハードルを下げる」という軸はぶらさず、潔くピボットできたのは良かったと思います。
ノってきた
<コーチング>
SWTでは、スタートアップ界隈のエキスパートがコーチとして参加してくれます。
今回は、3組のコーチから、2組を指定してコーチングを受けることができました。
私たちのチームは、最初と最後のコマにお願いすることとしました。
ヘロヘロヘタッピ
シャレオツなコンテナ打ち合わせ卓
一回目のコーチングは、
株式会社エニセンス取締役CTOの市江さん(左)と、
株式会社コンセント ユーザーエクスペリエンスアーキテクトの坂田さん(右)のお二人。
ふむふむ
コメントをいただいたものの、大きな方向転換は無く、順調に作業継続です。
no talk, all action
そして二回目のコーチングは、
NOSIGNER株式会社 代表取締役 CEOの太刀川さん(左)と、
株式会社ウェルセルフ 取締役 Co-Founderの新明さん(右)のお二人。
必死に伝えます
ここで、鋭いご指摘を受けます。
これまで順調に進んできた作業も一旦中断し、再度サービスの方向性について話し合うことになりました。
この後は、正直かなり行き詰まりました。
こちらのブログ「【サイト紹介・独自】StartupWeekendTokyo5月開催優勝プロダクトのご紹介! | HackathonPost」にもこの時の様子がこう書かれています。
2日目に、チームの状況を伺った。
当初のコンセプトからずれにずれ、(いわゆるピボット)残ったアイデアなども、迷走状態に。
途中聞いてみたはいいが、アイデアで解決ができず。
しかしその後、迷走中のチームの元へふらっとやって来た、ウェルセルフの新明さんにこう言われました。
「これだけ話し合って進まないんだったら、きっとみんなやりたくないことなんでしょ。
やりたくないことは、やっても意味ないよ。話し合ってる時間が無駄だから、どんどん手を動かしてアクションした方がいいよ。」
(大体こんな感じだったと思います。。)
この言葉にかなり背中を押されることになり、結局元の方向で進めることになりました。
そうと決まれば、爆速でこのFacebookページを作ったり、このティザーサイト公開したり、イベント告知したりと半ば勢いまかせでガンガン進みました。
公開直ぐさま、ユーザの反応が得られたときは、かなり興奮しました。
迷走を乗り越え、なんとかMVPを作成して反応も集められたところで、この日もチームで飲み会に行き、2日目終了です。
2日目おつかれさーん
読み疲れてきたあなたへ…。もうちょっとです。
<3日目>
2日目でMVP作成はできていたものの、サービスの細部が決めきれていなかったので、朝イチで事業企画書として整理しておきました。
これはイベント最後に行われる、プレゼンのネタにもなります。
気合い入れて早く着きすぎ、開場待ちでした
この日は最終プレゼンに向け、もっぱらその準備でした。
イメージを視覚的に伝えるためのティザー動画と、プレゼン資料の作成に分かれてバリバリやりました。
また、検証が足りていなかった部分についてアンケートも実施しました。
バリバリやっているの図
私たちのチームの発表は、10チーム中4番目になることに。
ユニークなチーム名たち
発表資料は、なんとか直前にできあがりました。
ギリギリまで最終確認
そんなこんなで、いよいよ発表が始まりました。
いえーい
発表は、以下の3つの観点でジャッジされます。
・EXECUTION(実行)
・BUSINESS MODEL VALIDATION(ビジネスモデルの検証)
・USER EXPERIENCE DESIGN(ユーザ経験のデザイン)
かっこいい評価観点
審査員は、
株式会社フリークアウト 取締役 COOの佐藤さん(左)
株式会社nanapi 取締役CTOの和田さん(中)
Wantedly, Inc. CTO 川崎さん(右)のお三方です。
ジャッジの3名様
緊張して他チームの発表はほとんど耳に入らない時間があっという間に過ぎ、いよいよ自チームの発表が回ってきました。
冷静に冷静に。。
引くとこんな感じです
その後、全チームの発表が終わり、審査員による総括、そして優勝チームの発表に移りました。
ドドドドドド
その結果、見事私たちのチーム名が呼ばれました!
呼ばれた!
評価ポイントとしては、ティザーサイトを作成して実際に仮説検証を行えていた点と、明日からのアクションが明確になっていた点が大きかったようです。
ほとばしるやりきった感
その後は、わたしのアドリブの利かない乾杯あいさつと共に、おつかれパーティーが始まりました。
かんぱーい
ワイワイガヤガヤ
かわいいロゴの入ったケーキ
<まとめ>
全員集合
それでは最後に、この3日間を通じて、SWTで優勝を目指す上、スタートアップをやる上で大事だと思ったポイントをまとめます。
・とりあえず早く行く
気合いの問題です。せっかく参加してるので張り切っていきましょう。
(結構時間にルーズな方が多かった印象を受けました。。)
・チームメンバのバランス
前編で触れた部分です。
役割や男女比などのバランスは進めていく中で大きく影響するので、ピッチに出ようと思ったら、どんな人と一緒にやりたいのか、あらかじめ考えておくのがいいと思います。
・軸を明確にする
目的と手段を混合せずに、サービスを通じてどんなことを実現したいのかを明確にしておくことが、時には潔いピボットに繋がるのだと思いました。
・考えてないで、とにかくアクション
限られた時間の中で、ぐるぐると空論して、頓挫しているのはもったいないと感じました。
作成したプロダクトを躊躇せずに世に発信すれば、直ぐさま反応が返ってきました。
また、検証結果が取れれば、明日から取るべきアクションも見えてきます。
・チームメンバが本当にやりたいと思えるサービスをやる
結局、これが一番大事だと思いました。
ビジョンにチームメンバの想いがガッチリ重なれば、おのずと結果に結びつくと思いました。チーム目標をきちんと設定しておくのも大事だと考えます。
また、自分たち自身がターゲットユーザーであると強いと感じました。
<次回SWT>
SWTは毎回、有志のオーガナイザーで運営されているようです。
このような素晴らしい機会を提供されていて本当に感謝です。
ありがとうございました。
頭の上がらないオーガナイザーのみなさま
次回SWTは、6/13(金)〜15(日)@麹町で開催されるようです。
少しでも興味を持った方は、難しく考えずにとりあえず申し込んでみればいいかと思います。(たぶん何とかなります。)
http://tokyo.startupweekend.org/
<最後に>
いかがでしたでしょうか。
SWTの雰囲気や、スタートアップをやる上で参考になる点があれば幸いです。
(感覚的に学んだインプットが多すぎて、言語化するのになかなか苦労しました。。)
実際に参加してみて、3日間54時間という限られた時間の中で、サービスを生み出さなければならないという環境が、このイベントの醍醐味であるように感じました。
恐らく、今回と同じアイデアを日常の中で思いついても、同じスピード感で仮説検証して形にすることはできなかったと思います。
これからは、いかにして、普段の生活の中でこのような環境を自分で作っていくのかが大切になると思いました。
今回、目標であった「優勝」を達成できたこと。
そして、MVPを作成して実際に検証できたことで、これまでの自分の枠から一歩を踏み出す貴重な経験が得られました。
学んだことを活かしつつ、どんどん失敗して、サービス共々、自分自身も成長していきます。
それでは、これからも「DOTA-SAN」をよろしくお願いします!
DOTA-SAN
〜あなたの空いた時間を楽しくするイベントキュレーションサービス〜
チームDOTA SEVEN
以上で「Startup Weekendに参加したら、優勝した。」は完結とさせていただきます。
お読みいただきありがとうございました。
早速、以前より暖めていた別のサービスも公開しました。
こちらもよろしくお願いします。。
- 作者: エリック・リース,伊藤穣一(MITメディアラボ所長),井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2012/04/12
- メディア: 単行本
- 購入: 24人 クリック: 360回
- この商品を含むブログ (91件) を見る