100年の人生を主体的に生きる 〜『ライフ・シフト』を読んで 〜

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はじめに

『ワーク・シフト』のリンダ・グラットンさんの新刊『ライフ・シフト』がこれからの時代を生きる上でのキャリア戦略・人生戦略を考える上で非常に参考になると感じたので、特に大事だと思ったこと、触発されて考えたことをまとめます。

 

『ライフ・シフト』の概要

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いま先進国で生まれる子どもの50%以上は100歳以上生きるそうです。100年前に生まれた子どもでは100歳までに生きるのは1%に満たなかったことと比べるとものすごい違いですよね。

ちなみに国連の調査によると、日本の100歳以上の人口は2050年までに100万人を突破するとのことです。

そんな時代では当然、これまでの様々なルールは通用しなくなってきます。なので、長く生きることを前提に人生計画を立てて行動していく必要がありますよ、というような内容です。

この本全体の書評については他にも書いている人がたくさんおりますので、例えばこちらの記事などを参照いただければと思います。

 

周りのみんなと同じ行動を取るだけでうまくいく時代は終わった

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ぼくがこの本を読んで特に大事だと思ったことは、これまでの一斉行進するような画一的な生き方から脱却し、「一人ひとりが自分のアイデンティティと価値観を人生にどのように反映させていくかを真剣に考え、主体的に行動していかなくてはならなくなる」ということです。

そこでは、自分の希望や願望が鍵になっていきます。
自分はどのような人間なのか、何を大切にして生きたいのか、といったことを常に内省していくことが大切です。

 

誰しもが、自らの人生のテーマを持つ必要がある

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本書で語られているように、人生のマルチステージ化が進むと、人々は100年以上という長い人生で多くのステージ移行を経験するようになります。

その経験を通じて、自分が何をすることを好み、何が得意なのか、何が好きなのかの発見を繰り返していくのです。

それらの活動の中では、人生全体で貫く自分にとって大切な要素が何なのかを意識的に問わなくてはなりません。

 

これからは、誰もが自らの言葉で、自らの人生のテーマを語れるようになる必要があると思います。いわゆるビジョンやミッションと言われるようなものです。

それに沿った選択をしていくことで、ステージ移行の際のリスクが減り、人生全体のストーリーとしての一貫性が生まれると考えます。

 

「レクリエーション」から「リ・クリエーション」へ

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また、余暇時間の過ごし方を変えていくことも大切と言っています。

これまでは、余暇時間から利益を得ようとしてレジャー産業が台頭してきました。
しかし、これからはスキルや人脈といった無形資産の蓄積がますます重要になっていくため、依然として余暇時間を消費活動に当てているだけではまずくなります。

自己改善につながる投資活動へリソース配分を調整し、新たなスキルの習得や学び直し、多様な人的ネットワーク構築などといった時間に当てていくこと。また、オンライン上でのパーソナルブランドの形成に向けた情報発信もますます重要になります。

このように、消費や娯楽といった「レクリエーション」から、投資や再創造といった「リ・クリエーション」への移行を意識することが大切です。

またネット時代では、情報や知識は簡単に獲得していくことができますので、その知識を使って実際にどういう体験をしたのかということが差に繋がります。それは、体験格差行動格差とも言えると思います。

 

「ワーキング・カップル」のメリットが高まる

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また、そういった活動を起こす上では夫婦のパートナー関係も重要になってくると言っています。

これは『2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略』でも語られていることに近いですが、どちらかのステージ移行の際には稼ぎ手や育児や家事の役割を調整し、お互いのキャリアをサポートし合うことで、うまくリスク分散していくことが有効になります。

 

核となるのは、オープンマインド

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これらの活動全般のベースとなるのは、新しい経験に対する開かれた姿勢とのことです。

生涯を通じて変わり続ける、実験し続ける、学び続ける覚悟を持ち、選択肢を狭めずに新しい選択肢を模索し続けることが重要になります。

これは『その幸運は偶然ではないんです!』などでクランボルツ教授が提唱する「計画的偶然性理論(プランド・ハプンスタンス・セオリー)」にも通ずることだと思います。

変化の激しい時代に先を見通すことは困難。積極的に行動を起こし、予想しない偶然の出来事をつくり出す。それを最大限に活用して人生を切り開くという考え方です。

人生の大まかな方向性を決め、あとは流れに身を任せて、チャンスが来たら積極的に行動してみるということが大切だと思います。

そういった生き方を多くの人が起こすことで多様性が生まれ、それに対応するようにして企業や政府の制度もより柔軟なものへと変化していきます。

 

おわりに

長寿化といった時代の変化を前向きに捉え、積極的に行動を起こし、自分についてよく知っていくことがより良い人生に繋がっていくのだと思いました。

思えばぼく自身、この本で語られているような「エクスプローラー(探検者)」、「インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)」、「ポートフォリオ・ワーカー」のステージを実際に行ったり来たりしていますが、そういったこれまでの活動やこれからの目指している方向性について自信を持つことができました。(これまでの活動については、こちらの記事を参照のこと)

これからの時代を生きる上でぜひ一読し、今後の人生をどう生きるのかを見つめ直してみることをおすすめします。

 

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

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2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略

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その幸運は偶然ではないんです!

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