ストレングス・ファインダー2.0で、自分の強みの活かし方を考える。
はじめに
先月、『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう』の新版が発売され、自分の強みを診断する「ストレングス・ファインダー」を2年半ぶりにやってみましたので、旧(1.0)と新(2.0)の違いや実際の結果についてまとめます。
目次
- ストレングス・ファインダーとは
- なぜ強みを知ることが重要なのか
- 1.0との違い
- 34の資質で比較してみた
ストレングス・ファインダーとは
2017年初時点で全世界1500万人以上が受けた、自分の強み資質(≒才能)を診断するツールです。34の資質タイプから自分のTOP5を基本として知ることができます。
なお、ストレングス・ファインダーで測定できるのは「才能」であって「強み」ではないと本書では述べられています。才能は強みの元となる一要素にすぎないということです。
方程式としては、
才能 × 投資 = 強み
となるようです。 またそれぞれの定義は以下の通り。
- 才能: 頻繁に繰り返す思考、感情、行動パターン
- 投資: 練習やスキル開発、知識を身につけるためにかける時間
- 強み: 常に完璧に近い成果を生み出す能力
「才能」はダイヤモンドの原石であり、それを磨き上げたダイヤモンドこそが「強み」という説明もされています。
なぜ強みを知ることが重要なのか
本書では、世の中のほとんどの学習プログラムが、「強み」よりも「欠点」のためにより多くの時間が割かれているのが根本的に間違っていると主張されています。
なので、もっと才能を伸ばすことにエネルギーの多くを注ぐことができれば、私たちは飛躍的な成長を遂げることができるということです。
そして、能力重視の傾向が強まっている今日の社会では、自分が何に適しているかを把握するためには自分の「強み」を知り、それを伸ばしていく必要があると述べられています。
今後、フリーランスの増加やリモートワークのさらなる普及により、成果がますます重要視される社会になるように思えますので、尚更のこと自分の強みを発揮した領域で働く必要があると考えます。
1.0との違い
34の資質とその名称は同じですが、結果レポートの内容が違います。
1.0で提供される各資質についての説明はどれも一律でしたが、2.0で提供されるレポートは、より掘り下げられ個別にカスタマイズされています。
また、1.0と2.0の結果を比べたとき、TOP5のうち少なくとも3つの資質が同じになることがほとんどだそうです。TOP5の組み合わせや順番がまったく同じになるのは3300万人に1人という確率のようです。
34の資質で比較してみた
私の診断結果は以下のようになりました。
1.0をやったときは、通常のTOP5までしか見ていなかったのですが、結構順位が変わってしまったので結果に対する信憑性を明らかにしたいと思い、US $74.00の課金で34種類の結果をすべて解放しました。
TOP5のうち、3つがランク外から上昇したのは、ここ最近の仕事が影響してるんだろうなと思います。新しい資質を見出す機会に恵まれたという理解です。
さらに全体的に比較してみました。
こう見ると、1.0でTOP5にあったものは2.0でTOP10に入っていて、1.0で逆TOP5にあったものは2.0でやはり逆TOP10に入っているというパターンが見えるので、結果を信用しても良さそうと思いました。
ただ本書では、「レッテル貼りをしないこと」という注意がされています。
資質はそれ単体ではなく複数の資質の組み合わせで機能し、組み合わせによって表面に出てくる行動や思考が異なるため、ひとつの資質で相手を決めつけると、その人の可能性を狭めてしまうという危険性があるということです。
そのような意味でも、34の資質を知ることの価値はあると思います。
また、2.0のレポートでは、組むと相性の良い資質の人も紹介されており、私の場合は「指令性」や「活発性」の資質を持つ人でした。
自分の強みを伸ばし、弱みはそれが得意な人と組んで成果を上げていきたいものです。
ぜひ一度ストレングス・ファインダー2.0を受けてみることをおすすめします。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
- 作者: トム・ラス,古屋博子
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/13
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
あなたは何タイプ!?「認知特性」と思いやりのあるコミュニケーション
はじめに
最近読んだ記事で、けんすうさんとイケハヤさんが触れていた「認知特性」という概念。
ん〜…これはいろいろと思い当たるシーンがあるぞと非常に気になったので『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』を速攻で買って読みました。
認知特性とは?
認知特性とは、「外界からの情報を頭の中で理解したり、記憶したり、表現したりする方法」です。
以下の6パターンに分類されるということです。
A 視覚優位者
① 写真(カメラアイ)タイプ:カツオくんが描けるアーティスト系
② 三次元映像タイプ:どんな人の顔も見わけられるエキスパート
B 言語優位者
③ 言語映像タイプ:イメージをすぐに言葉にできるファンタジスト
④ 言語抽象タイプ:わかりやすくノートをまとめる達人
C 聴覚優位者
⑤ 聴覚言語タイプ:オヤジでなくてもダジャレ上手
⑥ 聴覚&音タイプ:英語の発音もすばらしい絶対音感タイプ
この分類を見るだけで、「ああ…あの人はきっとこのタイプだな〜」って何となく思い浮かびませんか?w
テストをやってみた
本には、35問の項目に答える簡単なテストがあるのですが、実際に私がやってみた結果がこれです。
点数が15〜25はグレーゾーンで一般的、それより高ければ強く、低ければ弱い認知特性ということです。
一番高かったのが「④言語優位者:言語抽象タイプ」で34点、次に高かったのが「②視覚優位者:三次元映像タイプ」で28点。
逆に低かったのが「⑥聴覚優位者:聴覚&音タイプ」で10点でした。
特性別の特徴だと、「④言語優位者:言語抽象タイプ」はわかりづらい文章を図式化すること、言葉を見るのが得意、初対面の人は名刺の文字で覚える、歴史の本は家系図や相関図が浮かびやすいなど。
「②視覚優位者:三次元映像タイプ」は、映像として物事を記憶する、3歳以前の記憶がありその記憶に自分自身は登場しない、「野菜をできるだけ多くあげよ」というときは野菜の写真やスーパーの陳列棚をイメージしながら答えるなど。
うんうん、よくわかります。
「⑥聴覚優位者:聴覚&音タイプ」については、言葉を聞くのが得意、英単語は聞いたり暗唱して覚える、絶対音感を持っているなど。
どうでしょう…当てはまりますか?
私はぜんぜん当てはまらずです。外国語学部だったのにリスニングとかめちゃくちゃ苦手だったし、小さい頃からピアノやっていたけど絶対音感とかないですしね。
ワーキングメモリー
本書では「ワーキングメモリー(短期記憶)」についても触れられており、それには「視覚的」なものと「聴覚的」なものがあるとのことですが、私はとりわけ「聴覚的ワーキングメモリー」が弱いことを自覚しています。
例えば過去のバイトだと、飲食店でのホールの注文はメモしないとまず覚えられないですし、レジで自分から聞いたことにお客さんが何と答えたかも聞いた瞬間にもう忘れてます。(というか記憶できない)
こういう弱みは普段働いていて分かっていたので、ミーティングや人の話を聞いても言葉が右から左へ全部流れていってしまうため、基本的に片っ端からメモしながら話を聞くようにしてます。一度文字に落とし込むことさえできれば、その情報整理は得意なのでこっちのものです。
文系フリーランスの黒田悠介さんもホワイトボードを持ち歩いているそう。
最近は仕事でもSlackなどのチャットツールが一般化しているのが、私の特性的にはすんごく助かっております。(言語優位者タイプは、ネットには相性が良さそうですね!)
あとよく感じるのが、テンポよく話す人の会話に全くついていけないことです。
こっちはいちいち脳内で「文字起こし」しているので、途中でついていけなくなり、そのうち聴くのを諦めますw
そして残念ながらダジャレやオチなんか言われても、基本的にピンときません。w
そんな訳で飲み会もめちゃくちゃ苦手意識を持っているのですが、みんながあれこれ話すともう頭の中のワーキングメモリーがパンクするので基本的に無口なります。。(そのためおとなしい人という印象を持たれがち)
カフェで作業していても、周りの会話が気になって全く集中できないし、J-POPなんかがかかっているともう勝手に「聴くこと」にリソースが消費されて、それ以外何もできなくなってしまいます。
なので普段作業をするときは、「音」に対してはいろいろと気をつけて環境を選んでいたりします。
「わかるわかる!」という方はきっと似たようなタイプだと思います。
認知特性を知って、チームでの相互理解につなげる
このような認知特性を知ることのメリットとしては、自分にあった学習方法や仕事の進め方を発見して改善し、無駄な努力をなくすことにあると思います。そして得意なことに集中しましょう。
また、人それぞれ特性が違うという前提を理解すれば、相互的に思いやりのあるコミュニケーションができるようになるはずです。
一緒に働いているメンバーでテストをやってみると、その診断結果でチームの組み合わせを変えたり、コミュニケーションを改善することで生産性が上がることに繋がるかもしれませんね!
医師のつくった「頭のよさ」テスト?認知特性から見た6つのパターン? (光文社新書)
- 作者: 本田真美
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/08/17
- メディア: Kindle版
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21世紀に求められる「問い」の力とは
はじめに
2016年で自分の中に残ったキーワードとして「問い」というものがあります。
イベントや本などでその言葉を多数聞いたので、自分なりに「問い」とは何であるかを整理し、その言葉を中心にして今後世の中に求められていくキャリア像や、2017年の個人的な活動の方向性を考えようと思いました。
「問い」で人と繋がる
今年もボランティアスタッフとして参加した「Tokyo Work Design Week」では、7日間のプログラムの中で異なるゲストの口から「問い」というキーワードを何度も聞くことになりました。
例えば、オランダではNPOに多数参加しているのが普通だと言います。
その理由としては、オランダでは小さい頃から安楽死や大麻であったり、教育や介護などのカテゴリーで社会課題に触れる機会が多くあるそうです。
自分や自分の周りに転がっている困っていることから問いを立てるということが、環境的に行われやすいと言うことです。
また、ゲストに予防医学研究者の石川喜樹さんを迎えたプログラムでは、人と人のマッチングでは、答えやアイデアではなく「問いが共通」だと繋がりやすくなるという話がありました。
自分と繋がりやすい人の見分け方。
— おちよ (@yuki_chiyo) 2016年11月21日
「問いが一緒かどうか」
その人が持つ答えやアイデアではなく、問い。#twdw2016 #twdw
「問い」を「ビジョン」という言葉に置き換えた時に、会社と人のマッチングでもやはりビジョンにどれだけ共感できるかというのが大切なポイントだと思いますが、それは個人と個人の間でも同じことだと思います。
個人が情報発信して当たり前の時代では、その人が発する問いにどれだけ共感できるかが重要であり、その部分での本質的なマッチングがますます主流になっていくのではないかと感じています。
「問い」の原体験を得る
今年半年間通っていた講座「企画でメシを食っていく」のゲスト講師としてもお話を伺えた、キングコング 西野亮廣さんの著書『魔法のコンパス』では、問いを持つためにはまず問いが落ちているような足場の悪い場所にいくことが大切だと言っています。
つまり、人生を賭けるほどの「問い」を見つけるためには、居心地の悪い場所に立つ必要がある、というか居心地の悪い場所に立った方が「問い」が見つかりやすい。
だから、ときどき「生きづらい世の中だ」と嘆いている人を見ると、羨ましくて仕方がない。「何故、生きづらいのか?」「それを改善するためにはどうすればいいのか?」といった「問い」に囲まれているわけだ。天然でボーナスステージに立ってんじゃん。
とにもかくにも、まず「問い」を持つ。
「問い」を持つために、「問い」が落ちている場所に行く。
西野さん自身は、「芸人がひな壇に参加しないで生きるにはどうすればいいだろう?」という「問い」を持ち、その問いに人生を賭けてみることにしたということです。
このような「人生を賭けるほどの問い」とは、「ミッション」とも言い換えられるものだと思います。
トーマツベンチャーサポートの斎藤祐馬さんの著書『一生を賭ける仕事の見つけ方』では、問い、つまりミッションのタネが落ちている場所について以下のように語っています。
ミッションのタネは、人生の<山>か<谷>かのどちらかにあることが多い。
このように、人生において<山>や<谷>を味わった経験を、僕は「原体験」と名づけている。
「原体験」は、自分が何を大切にするか、という価値観の形成に大きく関わっている。自分のミッションを見つける第一歩は、自分の「原体験」を自覚することにある。
「問い」で脱コモディディ化を目指す
斎藤さんは「ミッション」を「自分が本当にやりたいこと、自分にとって大切なことから生まれる仕事」と定義し、スキルやキャリアを追求する「キャリア志向」の働き方では他の誰かや何かに代替される可能性があるが、ミッションを歩む「ミッション志向」の働き方では他の誰にも何にも代替されることはないと言っています。
近年のAI(人工知能)やロボットの著しい技術革新もありますが、このようなミッション志向の働き方や生き方が、今後の戦略としてますます有効になっていくと考えます。
事業家・思想家の山口揚平さんの著書『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと』においては、
我々は、場所と環境を変えることによってしか、新しい視点や問題意識を手に入れることはできない。GoogleやFacebookの予測を外し、AI(人工知能)の呪縛から逃れるためには、私達は場所と環境を変え、新しい問題意識を手に入れ続けなければならない。AIは人をどこまでも追いかける。だから君達は『物理的』に逃げなければならないのだ
旅(移動)をし続けなければならない。そうでなければコモディティ化から逃れることはできない。大事なことは知識や情報ではない。意識だ。知識は体験による身体感覚との結合を経て、初めて知恵となる。そして、物理的な環境の変化のみが意識変革をもたらす。21世紀、教育において『教室』は移動し続けることになる。『移動教室』こそが教育の本命となる
というように、問題意識を持つためには旅(移動)が必要不可欠と言っており、また、機械による最適化がされる時代には、人間の仕事はアートとデザインしかないと以下のように述べています。
21世紀の人間の仕事は、アートとデザインしかない。なぜなら言語化されるあらゆる事柄が機械によって最適化されるからだ。この2つをいずれか、あるいは両方身につけなければならないんだよ。特にこれからは、機能ではなく、コンセプトやデザインでビジネスを強化することが増えるだろう。人々にどう認知されるかが大事になってくるからね
世の中に問いかける、アーティスト的起業家の時代
続いて「問い」と「アート・デザイン」、その関連性について整理していきます。
デザイン思考の第一人者、biotopeの佐宗邦威さんの著書『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』では、
今後の社会は「変革と創造の時代」にはいっていくなかで、ビジネスのリソース管理のスキルを主に学ぶMBA(Business Administration)ではなく、いま今存在しない価値を作り出すスキル(Creation)が必要とされる時代がくるという時代の認識があります。
と言いつつ、KPCBのジョン・マエダさんのインタビュー(2012年 Wired)についてこう述べています。
「いま、イノベーションはデザイン以外のところで生じる必要がある。それを簡単にいうと、アートの世界ということになる。
デザイナーが生み出すのが「解決策(答え)であるのに対し、アーティストが生み出すのは「問いかけ」である。
アーティストとは、他の人間にとってはまったく意味をもたない大義、けれども自分にとってはそれがすべてという大義を追求するために、自分自身の安寧や命さえ捧げることもめずらしくない人種である。
彼がつくり出そうとしていた未来に対するビジョンや、そのビジョンが表す価値観を受け入れ、それに対価を支払っている」この話が示していることは、世の中の問題解決をするデザイナーの時代から、自分だけが信じる主観的な世界を世の中に問いかけていく問題提起型のアーティストの時代への変化です。
佐宗さんは、デザイン・エンジニア・ビジネスという3つの円の交差点にいる「越境人材」がイノベーションを語る上で重要と述べており、その領域の真ん中に位置するキャリアとして、「世の中にWHYを問いかけ続けるアーティスト的な起業家」を考えています。
そのようなアーティスト的起業家の問いかけ、つまりビジョンを通じて、デザイン・エンジニア・ビジネスの3要素を持った人を結合するキャリアを歩む人が増えるということです。
クラウドファンディングなどの登場によって、実現したいビジョンを提示しそれにファンが支援してリソースが集まるというようなことも身近になっており、そのような活動も敷居が下がっていると実感できるでしょう。
「問い」を示して、行動を起こす
このようにしてまとめると、「自らの問いを持ち、世の中へ問いかけ、それに共感する人と繋がっていくことができる存在」が今後より求められていくと感じます。
『LIFE SHIFT』を読んで書いたこちらの記事でまとめた、「誰もが自らの言葉で、自らの人生のテーマを語れるようになる必要がある」という主張とも通ずるものがあると思います。
私としては、2016年はまず作った会社を解散し、その後フリーランスのエンジニア業を中心に活動してきましたが、自分自身の興味関心やこういった時代の流れを踏まえて、やはり自分のビジョンを提示してそれに共感を集めて活動していきたいという思いが強くあり、その活動の一環として「自分の人生の主体的に生きる人を増やす」というビジョンの元、年の暮れから「雇われ起業家」という活動を始めました。
これは自分自身の起業活動の苦労が原体験としてあり、「事業立ち上げフェーズにおいて、コンサルではなくプレイヤーとして活動してくれる人がいたら心強いのではないか?」という問いが発端となっています。
2017年は、こういった活動を中心にフリーランスの立場ながらエンジニア業から事業開発業へのシフトを目下の目標として活動していこうと思います。
一人でも多くの人が自分なりの問いを持ち、それを世の中へ提示し、共感を集めながら活動していくことに挑戦して、自分らしいキャリアを実現して欲しいと思っています。
もし何か相談したいことがあればFacebookででもお気軽にメッセージください。
100年の人生を主体的に生きる 〜『ライフ・シフト』を読んで 〜
はじめに
『ワーク・シフト』のリンダ・グラットンさんの新刊『ライフ・シフト』がこれからの時代を生きる上でのキャリア戦略・人生戦略を考える上で非常に参考になると感じたので、特に大事だと思ったこと、触発されて考えたことをまとめます。
『ライフ・シフト』の概要
いま先進国で生まれる子どもの50%以上は100歳以上生きるそうです。100年前に生まれた子どもでは100歳までに生きるのは1%に満たなかったことと比べるとものすごい違いですよね。
ちなみに国連の調査によると、日本の100歳以上の人口は2050年までに100万人を突破するとのことです。
そんな時代では当然、これまでの様々なルールは通用しなくなってきます。なので、長く生きることを前提に人生計画を立てて行動していく必要がありますよ、というような内容です。
この本全体の書評については他にも書いている人がたくさんおりますので、例えばこちらの記事などを参照いただければと思います。
周りのみんなと同じ行動を取るだけでうまくいく時代は終わった
ぼくがこの本を読んで特に大事だと思ったことは、これまでの一斉行進するような画一的な生き方から脱却し、「一人ひとりが自分のアイデンティティと価値観を人生にどのように反映させていくかを真剣に考え、主体的に行動していかなくてはならなくなる」ということです。
そこでは、自分の希望や願望が鍵になっていきます。
自分はどのような人間なのか、何を大切にして生きたいのか、といったことを常に内省していくことが大切です。
誰しもが、自らの人生のテーマを持つ必要がある
本書で語られているように、人生のマルチステージ化が進むと、人々は100年以上という長い人生で多くのステージ移行を経験するようになります。
その経験を通じて、自分が何をすることを好み、何が得意なのか、何が好きなのかの発見を繰り返していくのです。
それらの活動の中では、人生全体で貫く自分にとって大切な要素が何なのかを意識的に問わなくてはなりません。
これからは、誰もが自らの言葉で、自らの人生のテーマを語れるようになる必要があると思います。いわゆるビジョンやミッションと言われるようなものです。
それに沿った選択をしていくことで、ステージ移行の際のリスクが減り、人生全体のストーリーとしての一貫性が生まれると考えます。
「レクリエーション」から「リ・クリエーション」へ
また、余暇時間の過ごし方を変えていくことも大切と言っています。
これまでは、余暇時間から利益を得ようとしてレジャー産業が台頭してきました。
しかし、これからはスキルや人脈といった無形資産の蓄積がますます重要になっていくため、依然として余暇時間を消費活動に当てているだけではまずくなります。
自己改善につながる投資活動へリソース配分を調整し、新たなスキルの習得や学び直し、多様な人的ネットワーク構築などといった時間に当てていくこと。また、オンライン上でのパーソナルブランドの形成に向けた情報発信もますます重要になります。
このように、消費や娯楽といった「レクリエーション」から、投資や再創造といった「リ・クリエーション」への移行を意識することが大切です。
またネット時代では、情報や知識は簡単に獲得していくことができますので、その知識を使って実際にどういう体験をしたのかということが差に繋がります。それは、体験格差や行動格差とも言えると思います。
「ワーキング・カップル」のメリットが高まる
また、そういった活動を起こす上では夫婦のパートナー関係も重要になってくると言っています。
これは『2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略』でも語られていることに近いですが、どちらかのステージ移行の際には稼ぎ手や育児や家事の役割を調整し、お互いのキャリアをサポートし合うことで、うまくリスク分散していくことが有効になります。
核となるのは、オープンマインド
これらの活動全般のベースとなるのは、新しい経験に対する開かれた姿勢とのことです。
生涯を通じて変わり続ける、実験し続ける、学び続ける覚悟を持ち、選択肢を狭めずに新しい選択肢を模索し続けることが重要になります。
これは『その幸運は偶然ではないんです!』などでクランボルツ教授が提唱する「計画的偶然性理論(プランド・ハプンスタンス・セオリー)」にも通ずることだと思います。
変化の激しい時代に先を見通すことは困難。積極的に行動を起こし、予想しない偶然の出来事をつくり出す。それを最大限に活用して人生を切り開くという考え方です。
人生の大まかな方向性を決め、あとは流れに身を任せて、チャンスが来たら積極的に行動してみるということが大切だと思います。
そういった生き方を多くの人が起こすことで多様性が生まれ、それに対応するようにして企業や政府の制度もより柔軟なものへと変化していきます。
おわりに
長寿化といった時代の変化を前向きに捉え、積極的に行動を起こし、自分についてよく知っていくことがより良い人生に繋がっていくのだと思いました。
思えばぼく自身、この本で語られているような「エクスプローラー(探検者)」、「インディペンデント・プロデューサー(独立生産者)」、「ポートフォリオ・ワーカー」のステージを実際に行ったり来たりしていますが、そういったこれまでの活動やこれからの目指している方向性について自信を持つことができました。(これまでの活動については、こちらの記事を参照のこと)
これからの時代を生きる上でぜひ一読し、今後の人生をどう生きるのかを見つめ直してみることをおすすめします。
2人が「最高のチーム」になる―― ワーキングカップルの人生戦略
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- 作者: J.D.クランボルツ,A.S.レヴィン,John D. Krumboltz,Al S. Levin,花田 光世,大木 紀子,宮地 夕紀子
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「動けばチャンスはいくらでもやってくる」ということ
はじめに
前回の記事の最後で、「キャリアや生き方に悩んでいる方がいたら相談に乗りますよ〜」という旨を書いたところ、読んでくれた方数名からご連絡いただきました。
その中で実際にお会いした方も何名かおりまして、その時に話したことで自分としても改めて大事だなと感じたことがありましたので、記事にまとめておこうと思いました。(当たり前と思えるようなことも、悩んでいる時には案外見失ってしまうものなので)
この記事では、実際にお話したことをベースにして、以下のケース別に書いていきます。
【キャリアや生き方に関わる悩み別ケース】
- 得意なこと、好きなことが見つかっていないケース
- 自由なライフスタイルを目指していきたいケース
- 本当にやりたいことになかなか近づけないケース
自分の状況に置き換えて読んでもらえれば、参考になることがあるかもしれません。
得意なこと、好きなことが見つかっていないケース
まず、これから本格的に働き始めるような方、漠然と好きなことを仕事したいと考えているケースです。
何をやりたいかは、考えているだけじゃわからない
いろいろことに興味があり、好奇心であれもやりたいこれもやりたい、という感じだと浮き足立ってしまいます。(軸がない感じですね)
そんなときは考えているだけじゃなくてまず実際に行動してみる、仕事をしてみるというのがやっぱり大事だなと感じました。
その仕事の中で自分な得意なことや、好きなことに繋がる要素が少なからず見つかるはずです。「営業」とかの職種で考えるのではなく、もっとミクロに「計画を立てる」、「人に会う」、「目標を追う」とかのシーンで得意な要素、好きな要素を分析するということです。
もし自分でわからないときは、他者からのフィードバックや評価、客観的な実績を見るといいと思います。
「得意な仕事」から「好きな仕事」へどうシフトしていくか
一般的に、自分が好きなことをいきなり仕事にして稼げることの方が稀でしょう。
まず「得意な仕事」を見つけること。その次に、「好きなことを仕事にする」ことを考えるのが妥当なステップだと思います。
まずは自分が得意なことで、ちゃんと人や組織に貢献する力を身につけること。
もしそれが好きな仕事や業務でないのなら、ライスワークとして割り切ってしまうのもいいと思います。自分が得意なことで生活できるだけの稼ぎを得ることが先決です。
得意な仕事は自分にとって負荷が少なく、次第に余裕も出てくるため、余ったエネルギーを徐々に好きなことに注力しやすいと思います。
好きなことをやっていく中で、もっとそれに時間やエネルギーを使いたいと思うようになると思います。
そうなったときに初めて、その好きなことで稼げないかを考え、試してみるがいいです。少しでも稼ぐことができれば、段々その稼ぎが大きくなるよう注力し、最終的にそのライフワークだけで稼ぎ生活していくことを目指していくのもいいでしょう。
自由なライフスタイルを目指していきたいケース
次に、融通の利く仕事をして、理想とする自由なライフスタイルを確立していきたい。そのために、手に職をつけることを目指したいというケースです。
時代の流れに乗ってみる
ワークスタイルに対する制度が寛大な会社が増えているため、柔軟な働き方を目指す上では、エンジニアやIT業界(特にベンチャー)を目指すのが有効だと改めて思いました。やはり変化の激しい業界の方が時代に敏感ですので。
とてもありがたいことに、ぼく自身もフリーランスとしてエンジニアの仕事を融通の利くワークスタイルで働かせてもらっています。クラウドソーシングとも相性がいいので自由なライフスタイルを実現したいという方は、いまの時代的にそういった道を目指してみてはどうかと思います。
本当にやりたいことになかなか近づけないケース
今の仕事も好きなのだけど、本当にやりたいこととはちょっとずれている。思い切って環境を変えてみようか悩んでいるというケースです。
やりたいことと今の仕事の接点を探す
そんな状況では、今の仕事で「本当にやりたいこと」に繋がるような接点がないか探ってみるといいと思います。(これは以前読んだ、本田健さんの本に書いてありました。)
今の仕事が嫌で嫌で仕方がないという状況でもないのなら無理に環境を変える必要はなく、まずはできる範囲で本当にやりたいことに繋がるようなことを小さく始めてみるのがいいでしょう。
おわりに
アドバイスすることによる学び
目の前の人の悩みを聞いたりアドバイスすることは、まるで自分に言い聞かせているみたいで自分にとっても考えの整理になり、学びになりました。
また、自分と似たような境遇の人であるエンジニアの領域や、自由なライフスタイルを目指していきたいという方にはアドバイスがしやすかったです。今後そういった方に絞って相談に乗っていくのもありかなと思いました。
動けばチャンスはいくらでもやってくる
冒頭に書いた通り前回の記事が思いの外反響があり、いろいろな方がご連絡くれました。
これは以前起業活動をしていたときにも感じていたことですが、自分の考えを発信するとそれに共感してくれたり、応えてくれる人は絶対現れるということを強く実感しました。これからも自分の考えや価値観を発信するための自信を持つことができました。
例えばここ一ヶ月で発展したこととして、パラレルキャリア通信という働き方のメディアでライターをやらせてもらうことになりました。今後定期的に執筆していく予定ですので、働き方についてのヒントを得たい方はぜひチェックしてください。
また、SCOUTERというソーシャルヘッドハンティングのサービスの審査に合格し、「スカウター」として活動することが可能になりました。転職を検討中の方には求人紹介も可能ですので、そういったご相談もお待ちしています。ご飯代も出るみたいなので、おいしいご飯食べながらでもお話しましょう。
と言っても個人的には、「転職」はその人が「ありたい人生」に近づくための選択肢の一つであると思っていますので、それを勧めることを相談のゴールにはしません。ぼくとしては、あくまで相手に提供できる持ち札が増えたイメージです。
なので引き続き、何となくキャリアや生き方に悩んでいるという方はFacebookなどでご連絡いただければ相談に乗りますので、お気軽にどうぞです。
人に自分の考えを話してみるというのも、いろいろと気づくことが多いと思いますよ。
【総まとめ】社会人7年目までの独立活動
はじめに
気づけば、新卒入社した会社を退職してから2年半近く経っており、社会人として自分が何年目なのか気にする機会が殆どなくなったのですが、改めて数えると7年目に突入していました。
これまでの私の職歴としては、大学卒業後に大手SIerで4年間システムエンジニアとして勤務し退職。その後起業活動を経て2015年からフリーランスとして独立しました。そしてこれまでエンジニア業を中心として活動してきましたが、その間起業も経験しました。
会社員時代から自分のキャリアや生き方について模索しながらも行動をし続けてきたと思っているのですが、ここ最近、改めて自分が何をしたいのか、これからどう生きて、どう働いていきたいのかを見つめ直す人生の岐路に差し掛かっていると感じています。
そこで、これまでの社会人7年間の活動を振り返りつつ、これからの方向性について整理し、まとめることにしました。
キャリアや生き方に不安や悩みを抱えている人にとって、ロールモデルになる点や反面教師になる点など、何かしらの参考になれば幸いです。
目次
就職と会社員時代
まずは、遡ること就職活動から。
大学3年の10月、サークルを引退してから就職活動を開始しました。就職活動をするまで仕事について真剣に考えたことがなかったこともあり、あらゆる業界の100社以上の説明会に参加しました。
それでも特段やりたいことがなかったので、本当にやりたいことは社会人になってから見つけようと決めました。なので、広く世の中に関われるという観点でIT業界、その後のキャリアの選択肢が広がるような仕事という観点でシステムエンジニアという職種に興味を持ちました。
高校進学の際には高専に、大学進学の際にはコンピューター系の専門に行きたいと考えたことがあったことを思い出し、卒業後に改めて専門学校に行くのも考えましたが、就職活動の中で文系卒でもシステムエンジニアになれることや、大手であれば研修制度がしっかりしていることを知って安心し、大手SIerに入社することにしました。
社外活動
入社後、3年目ぐらいから仕事にも慣れて余裕が出てきたころ、ふと同じ職場のおじさん達を見て、自分の20年後が見えた気がしました。
「こんな仕事をして、これぐらいのお金を稼いで、こんな毎日を送って。。」その将来のイメージに、正直ぜんぜんワクワクしませんでした。多分、この毎日の延長線上にはそういった将来がある。もしそれが嫌なら、何か行動しなければ!そういった焦燥感に駆り立てられました。
と言っても何をしたらいいかわからず。とりあえず何か趣味でも見つけて職場と家の往復の毎日を変えようと思い、料理・サックス・スイミング・絵画など習い事の体験をしたり通い始めたりしました。
そうやっているうちにフットワークが軽くなり、その時読んでいた本の著者、家入一真さんが登壇するイベントに仙台からの出張帰りの足で向かったりしました。そこで登壇していた、はあちゅうさんや安藤美冬さんという方を初めて知り、ノマド?なにそれめっちゃいいじゃんと憧れたりしました。
Discover社のトークライブ「U25 FESTIVAL」2012.11
もしかしたらこの世界には自分が知らないだけで、いろんな働き方をしている人がいるんじゃないか?と視野が広がったことを覚えています。
そこからはこの記事で書いたトレンダーズのイベントに参加したり、「87年会」という同世代コミュニティのイベントに参加して、同世代で起業家やフリーランスをしている人に初めて会ったりして、焦りと刺激をたくさん受け取りました。
そのうちに、自分が受けた刺激を与える側になりたいと思い、87年会の運営に加わりました。そこでは、会社でやっていたプロジェクト管理のスキルがイベント運営で活かせることや、バックグラウンドの違う同世代の人たちと一緒に活動することで、自分の強みを客観視することができたように思えます。
また、普段の仕事ではできない役回りを果たせること、思いついたことをどんどん実験的に試せることが楽しくて、自ら企画し、人を巻き込み、ダイレクトに参加者からフィードバックがもらえることに面白さを感じていました。
87年会で25歳を祝ったイベント「Happy Quarter Of a Century」
一方、様々な人と出会うことでビジネスの誘いも来るようになり、興味を持ったことには首(と金)を突っ込みました。
しかし、どれも初期投資すらまともに回収できず、自分は単なるマネーゲームにはモチベーション持って取り組めないことがわかりました。ただ、「自由な働き方」への憧れは強くなり、会社に依存するのではなく、個人として自立した存在になりたいと思うようになりました。
その時、TWDW(Tokyo Work Design Week)という働き方のフェスイベントがあるのを知り、ボランティアスタッフとして参加しました。
TWDW 2013 スタッフの皆さん
そのプログラムの一つに、サイバーエージェントがやっているSHAKE100というイベントがあり、スタートアップ起業家4名が登壇していました。
その頃、なんとなくU25スタートアップ起業塾というものに通い始めていたこともあり、漠然と起業家という道も選択肢にありましたが、登壇者の一人が言った「起業家は自由だ。やることも、働く人も、働く場所も自分で決められる」という言葉に、起業家こそが最も自立した存在となれる職種ではないかと思い、起業家になろうと決意しました。
退職
その頃、会社では社長直下の新規プロジェクトへの募集があり、上司から手を挙げてみてはどうかというお誘いがありました。
この会社でやっていくなら紛れもないチャンス。とりあえず興味ありますと言ったものの、本音として心からやりたいと思えない自分がいました。
そしてここで本気で手を上げられないのなら、今後もこういうチャンスを活かすことができないだろうと思いました。仕事は社会人生活の中で最も時間を割くものなのに、それに本気で取り組めないのだとしたら、自分は何のためにこの会社にいるのだろう?そんな気持ちになり、もはやこの会社で自分が働く意味はないなと思いました。
お誘いから一週間後(のクリスマス)、プロジェクトへの参加は辞める旨、そして会社を辞める旨を上司に伝えました。
退職前に新規事業提案研修があり、所属チームで銀賞を受賞しました。私個人としては、いろんなイベントでプレゼンを見ていたのが功を制し、プレゼンの展開や見せ方を工夫できたこと、苦手意識のあった人前で話すこともプレゼンだと自信を持ってやれることを発見したことは大きい収穫でした。
起業活動
とりあえず退職したものの、何をするか特に決めていなかったので「Startup Weekend 」という起業体験イベントに参加しました。そのイベントの模様はこの記事に書いています。
当初はピッチ(プレゼン)する気がなかったものの、その場でやっぱりやってみようと思えたのも、退職前の研修で成功体験があったからだと思っています。
自らのアイデアに人が集まり、どんどん形になっていく。その過程の熱狂体験を味わいました。結果優勝することができ、その時のアイデアの事業化を目指すことにしました。
続いて、そのアイデアで「TOKYO STARTUP GATEWAY」という東京都が主催する起業家コンテストに出場し、4か月に渡る選考を進んでセミファイナル進出という好成績を残すことができました。
TOKYO STARTUP GATEWAY ファイナルでのピッチ
しかし、ここで自分の限界を感じました。
その時やろうとしていた、イベントキュレーションサービス「DOTA-SAN」では、「良質なイベント体験を通じて、人生の選択肢を提示する」ことを目指していました。自分の原体験としても、イベントから多くの刺激を受けていたからです。
そういった中、自分自身の生活は辛い状態にあって、本当に選択肢を提示することが良いことなのか自信がなくなって来てしまいました。
選択肢を提示するっていうことは結構無責任な行為なんじゃないか、実はその後のサポートこそが必要なんじゃないか。ついにはそんな疑問を払拭することができませんでした。
生活費枯渇もあり、日雇いで肉体労働、海の家、1日バー店長をやったり、初心者向け社交ダンスのイベントや、「"アイデアはあるけど、技術がない人"と"技術はあるけど、アイデアがない人"のマッチングイベント」をやったりもしました。
主催したアイデアと技術のマッチングイベント「Azabu Idea Spark Salon」
そして、以前から興味のあったデザインを学びたいと思ってWEBデザインの職業訓練学校に通い、そこで覚えたスキルでなぜか歌舞伎町のホストクラブグループでデザイナー兼ボーイとして働きました。
その後、体調を崩したことをきっかけに自分の状況を冷静に見ることになります。
それまでの経歴がまともに通用しない世界で1年近く、様々な非正規雇用の仕事を経験したり、悪環境で働く人たちを見て、大げさかもしれないけれど格差社会を目の当たりにしたように感じました。一体、会社員生活がどれだけ恵まれていたのかと。
改めて、人生をどう設計していくのかという、ライフキャリアデザインの重要性に気づけました。
また、自分の中にある何らかの才能が発揮されるかもしれない、そんな気持ちでいろいろとやってみたけれど、自分がまともに稼げるのは結局エンジニア業しかないんだということを痛感しました。
何をやるにしても、まずは稼げる土台がないと本当にやりたいことに注力することができない。また、サービスのプロトタイプぐらいは自分で作れるようになりたい、そんな悔しい思いを持って、スタートアップ(起業)を念頭にフリーランスのエンジニアとして活動を始めることにしました。
フリーランス
仕事を始めるにあたっては、PROsheetというフリーランスエンジニア向け仕事紹介サービスを利用させてもらいました。(インタビュー記事)
幾つかの会社と面談をして、六本木ヒルズのネットベンチャー企業にお世話になることになりました。なんとか生活を立て直したいと考えていた自分としては、以前のようにホワイトカラー(完全に私服だけども)なオフィスで働けること自体が本当にありがたかったし、早くこのチームに貢献できる力を身に付けたいと最初の方は利益度外視で働きました。
慣れてきたころには、お菓子のBAKEのハッカソンやアクセラレータープログラムに参加して、サービスを作りたいモチベーションがどんどん高まっていきました。
その頃はプログラミングの勉強も兼ねて「一人カヤック」と称して、どんどんWEBサービスを量産していこうと考えていました。(処女作:死にたいツイートを集めたWEBサービス「Alone」)
そんな時、起業家コンテストの同期と再会し、私個人の掲げる「自分の人生に主体的に生きる人を増やす」というビジョンと同期のビジョンが根底の部分で繋がっていたため意気投合し、起業活動を開始することになりました。
起業
当初私は自分の仕事や個人開発をやりつつ、あくまで手伝いという立場で関わる予定でしたが、一緒に進めるに連れて同じ熱量を持って活動できる人がいることへの嬉しさからコミット量が増し、ついには共同代表という形で「個人がライフキャリアを主体的にデザインし、それに合ったパートナーと共に歩める社会の実現」というビジョンの元、ソーシャル・スタートアップを目指す社会企業towaを設立することに至りました。
活動拠点としては、リクルートが運営するコミュニティスペース「TECH LAB PAAK」に会員選定いただけました。肝心のサービスを詰めるにあたっても、デザインシンキングとリーンスタートアップを組み合わせた「サービス・スタートアップ」の手法を用いて、適宜ユーザーセッションなどを開催させていただくのにとても助かりました。(この辺のサービスデザインの話は学びが大きかったので、別記事として改めてまとめたいと思います)
そうして大まかなサービスの方向性が決まり、アクセラレータープログラムにも通過してやっとサービス開発が始まるというタイミングになって、共同代表との方向性が合わず、それ以上一緒に進めていくことが困難な状況となってしまいました。
当初からメンバーの個人ビジョンと会社のビジョンを丁寧にすり合わせ、そういった齟齬は発生しないよう気をつけていましたが、ビジョン(Why)を実現するアプローチ(How)のところでどうしても馬が合いませんでした。
私は当初スタートアップ的な進め方を望み、短期間でサービスを急成長させEXITを目指していきたいということを主張していましたが、共同代表の方は必要以上のスケールは望まなく、長期的にじっくりとサービスを育てていきたいタイプでした。
共同代表はビジョナリーでしたが、それをどう実現するかという領域は私の方にパワーバランスがあり、こちらで主導権を持って進めすぎたことが最終的な破綻に繋がった要因の一つだと思います。
また、ビジョン達成に向けて、そもそも「ビジネス」というアプローチを取ること自体に懐疑的な想いが強くなってしまったようなので、その後いくら歩み寄ったところで継続は厳しく解散は余儀なくされました。
再びフリーランス
チーム解散後は、それまで設計したサービスを個人で、もしくは新たなメンバーを集めて進めていくという道もありましたが、私自身が共同代表の描くビジョンに強く惹かれていたのが大きかったので、それなしで進めていくことは、もはやあり得ませんでした。
そんな時、とてもありがたいことに親交のあったスタートアップから声をかけてもらい、そちらにエンジニアの立場でハーフコミットさせてもらうことになりました。やはり、ここでも自分のビジョンに繋がる部分があったことが決め手となりました。
昼はベンチャーで働き、夜はスタートアップで働く。そんな毎日を送ることになります。
しかし、エンジニア業を担っていくことに対して日に日に違和感が増し、それが無視できない程になってきました。
そしてその違和感の正体についても分かってきました。
それは、私は「誰のために働くのか」というWhoの要素に強いこだわりがあり、それと実業務との間でギャップが生じてしまっている、それこそが違和感の正体だと考えています。
エンジニアの仕事では、特にtoBのサービスであるとユーザーは導入先企業の人になるし、フリーランスとして関わる直接のクライアントは、一緒に働くチームそのものだったりします。
それだと、自分が大切にしている「Who」へ価値を直接提供できないため、自分が働くモチベーションにどうしても繋がりにくいのです。(その他、そもそも技術に対する興味が薄いというのもありますが)
これから
気づけば、フリーランスになる際の動機であった「やりたいことに注力するための稼げる土台作り」と「最低限のプロトタイピングのスキル」は、ここ2年の活動の中で達成できていました。
「自分の人生に主体的に生きる人を増やす」というビジョン実現に向けて、これまでDOTA-SANやtowa、個人開発してる「自分の強みでロールモデルを探せるサービス」など、WEBサービスやアプリというアプローチで考えてきました。
しかし、そこだけにこだわる必要もないのかなと、ここに来て考えるようになりました。(そういったサービスだとマネタイズしにくかったという現実もあります)
つまり、もっとダイレクトでシンプルに「キャリアや生き方に悩む人の心に火を付ける活動」をしてもいいのではないかと思っているということです。
この記事を読んでお分かりのように、私はこれまで自分のやりたいことに対して試行錯誤を繰り返してきました。自分の生き方や働き方、仕事に対してたくさん悩み、考え、行動しては落ち込んだり、また立ち上がったりを繰り返してきました。
だからこそ、同じように生き方や仕事に悩む人、自分のやりたいことや好きなことを仕事にしたいともがく人の苦しい気持ちは手に取るようにして分かります。
私が幸せにしたい人は、きっとそういう人たちなんです。誰の笑顔が見たいか、誰の力になりたいかって言われたら、そういう人たち以外いないんです。やりたいことを見つけたり、本当に好きな事に向き合って自分の殻を破り、一歩を踏み出すその背中をそっと押すような活動をしたい。
だから、今は俗に言うキャリアカウンセリングとかキャリアコンサルと言われるような領域に興味があります。(働き方・生き方を含めた広義のキャリア=ライフキャリアの領域)
でも、それを本当に楽しんでやれるかどうかなんて実際にやってみないと分からないし、それを職業にするには資格を取るためにお金も時間もかかってしまう。
もし資格を取って仕事を始めてから、「あっ、やっぱこれじゃない」なんてことも十二分にあり得るので、そこはリーン的に、まずはいまから実際にできる範囲で小さく始めてみたいなと考えています。
いきなりエンジニアの仕事を辞めるわけではないし、実際にやってみた結果「やっぱりWEBサービスだ」となったら、元のアプローチに戻せばいいだけだし、「やっぱりここっちの道だ!」と思えたら次のステップにいけばいいだろうと考えています。
終わりに
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。いかがだったでしょうか?何か参考になるようなことがあれば嬉しいです。
この記事を読んでくれた方で、もし自分の生き方やキャリアに対して悩みを抱えている方がいれば、喜んで相談に乗ります。
私自身がまだまだ自分の人生を模索している最中ですが、ここに来るまで自分のやりたい事や好きな事を見つけるために様々な手法を試してきました。そういった実体験をベースに、アドバイスできること、力になれることはきっとあると思っています。
例えば、やりたい事がわからない人にはその見つけ方や、大切にしている価値観や人生に影響を与えた原体験を一緒に探れると思います。やりたい事があるけどどう実現していいかわからない人には、その具体化をしたり、実現ステップを一緒に練ることができるでしょう。また、力になってくれる人を紹介することもできるかもしれません。
起業活動を通じて学んだ、事業立ち上げ手法である「リーンスタートアップ」を個人のキャリア開発に適応した「リーンキャリア開発」という手法を提唱できないかななんてことも考えています。
さらに、これまで5,000人以上の大企業・100人のベンチャー・数名のスタートアップなど大小様々な規模の会社で働いた経験や、正社員・フリーランス・経営者といった雇用形態を通じた実体験もありますので、理想のライフスタイルを実現するための働き方についてもアドバイスができると思います。
私にとって身近な同年代(今年29歳)から下、若手社会人から大学生あたりには特に力になれるかなと思ってはいますが、それ以外でもちょっと相談してみようかなと思った方はFacebookででもお気軽にメッセージください。もちろん面識ない方からで大丈夫です。また、何か一緒に活動や仕事ができるかもというオファーも歓迎します。
また、特に悩んではいないけど、共感した、応援したい、そういう気持ちを少しでも持っていただけたら、ぜひこの記事をシェアしていただければ幸いです。
約53°のスペクトル
虹には、ダブルレインボーという現象がある。普通に見える虹(主虹)の外側に色が反転した虹(副虹)が見える現象だ。流れ星のように、これが見えた時は願い事をすると叶うとも言われている。
また、雨がよく降り、虹がよく出るハワイでは「No Rain, No Rainbow」ということわざもある。雨が降るから、虹が出る。困難の先には素敵なことが待っているという意味のようだ。
26日、全米で同性婚が認められた。この決定にどのような意味を持つのか考えた時、最近読んだ『私とは何か――「個人」から「分人」へ』の中で述べられている「愛とは、その人といるときの自分の分人を好きになること。」という考え方が参考になるように感じた。
分人とは、ひとりの人間の中にある複数の人格のようなもので、複数の分人同士が繋がり合い、そのネットワークの総体が個人を形づくっているという概念だ。コミュニケーションを取る相手や、その時々のコミュニティに対応して、自分のキャラクターが変わるような経験は日常生活の中で誰にでもあるものだろう。
この分人という考え方では、そのそれぞれのキャラクターの中に「本当の自分」という実体はない。あえて言うならば、分人ネットワークそれ自体が「本当の自分」ということになる。では個性とは何なのか。それは、分人の構成比率だと言う。個人を1という整数としたときに、分人はそれを構成する分数のようなイメージだ。それら分人の構成比率によって個性は形づくられ、自分らしさというものに繋がっていくと言うのだ。
さて前置きが長くなった。件の決定により、アメリカではやはり自分らしく生きられる人が増えるのだと思う。
冒頭に書いた、「愛とは、その人といるときの自分の分人を好きになること。」という考え方に沿って考えると、相手の性別がどうとかはそもそも問題になっていない。つまり、自分を好きになれたとき、目の前にいる「その人」がたまたま同性であった、ということは十分にあり得るのではないかと思う。それが公的に認められたということは、「その人」と一緒にいるときの分人を認められたということであり、それはつまり、その分人の構成比率が高くなることが認められたということになる。その結果、自分らしさというものを獲得していく人が増えるのだと思う。
僕自身、自分らしさとは何か、個性とは何かとかをさんざん考えてはいるけれど、やりたいことのベクトルとしては、「自分らしく生きる人を増やす」という方向にあるように思う。だから、今回の決定で自分らしく生きられる人が増えるのであれば、それはとても素晴らしいことに思える。
今回の決定は当事者にとって、きっと困難の先の素敵な出来事であり、まさに虹が掛かったような状況だろう。これを主虹と捉えたとき、この先どんな副虹を描いていくのだろうか。
ところで先日初めて行った新宿2丁目のゲイバーで「ノンケなの?え…、ノンケなの…?」と何度も何度も残念そうに言われたことは、なんだかすごい申し訳ない気持ちになってしまったなあ。。
Startup Weekendに参加したら、優勝した。(後編)
前編では、Startup Weekend Tokyo(以後SWT)への参加のきっかけから、ピッチ、そしてチーム結成という1日目について書きました。
Startup Weekendに参加したら、優勝した。(前編) - おちよブログ
今回は続きの2日目、3日目、そして全体のまとめという流れで書いていきます。
引き続き、会の雰囲気が伝わるように気を付けつつ、今後参加される方に向けて参考になりそうなポイントも書ければいいなと思います。
※使用しているイイ感じの写真は、山川ジャッキーさんが撮影したものです。
<目次>
(前編)
・Startup Weekendとは
・1日目
(後編)
・2日目
・3日目
・まとめ
<2日目>
<集合>
前日はチームで自己紹介がてら、遅くまで飲んでいました。
その際、「電源とかホワイトボードとか、たぶん席って重要だよね。」という話になったので、いい席を確保したいがために開始30分前ぐらいに早めにやって着ました。
ここはギロッポン
その甲斐あって、席は選び放題。
どの席も電源タップは設置されているようだったので、出入りしやすそうな入り口付近の席を確保しました。
2日目はーじまるよー
とりあえずメンバが集まるまで、1日目でピッチした自分のアイデアをペライチの事業企画書としてまとめておきます。
時間になると、運営側からアドバイスがありました。
おなじみ羽渕さん
それは、「1人以上に熱狂体験を提供すべし」というものでした。
そのための具体的なアクションとしては、以下があるとのことです。
1:外に出て人を探す
2:体験できるサービス(MVP)を生み出す
それはつまり机上の空論ではなく、
「ユーザに具体的な仮説検証を実施して、リアルな反応を集めること」
が大切なんだと理解しました。
そしてこのSWT、なんと3日間7食付きのため、食事も用意されるのです。
コーヒーも付いて、いい感じの朝食
<目標設定>
お腹も膨れたところで、まず最初にチーム目標と各人の個人目標を決めました。
これは前日の飲み会でも話になった点でしたが、ここで改めて、チームとして目指す先の目線合わせを明確にしておきたかったのです。
優勝するぞー
そして決まった目標は以下です。
チーム目標:
「納得できるいいビジネスを創り、優勝する!」
(ただし、審査員の好みは無理に追わない。プロダクトを創るのは目的でない。)
ちなみに私の個人目標は以下を設定しました。
「優勝という結果を残す。チームメンバの意見や考え方を吸収し、企画~MVP作成までの一連のプロセスを身につけ今後の活動に活かす。」
「MVP(Minimum Viable Product)」とは、事業仮説を検証する必要最低限の機能を持った製品のことです。仮説検証を繰り返すスタートアップでは、かなり重要なポイントです。
概念では理解していても、実体験としていまいち掴めていない部分だったので、そこら辺を実践で学びたいなーと思っていました。
続いて、前日に作成したチームのFacebookグループに加え、ファイル共有を円滑にするためにGoogleドライブでフォルダ共有したりと、環境周りを整備しました。
<早速のピボット>
そこからは、私の事業アイデアをベースに、参加9回目のベテランKさんにビジネスモデルキャンバスに落とし込んでもらったりして、検討が必要な箇所について話し合いました。
その結果、サービスありきでなく、顧客課題から考え直す必要が出てきたので、ブレスト的に洗い出しました。
ペタペタ
元々、イベント企画者とイベント参加者に向けたサービスを検討しており、チームメンバ自身がターゲットユーザーであったため、ここら辺はかなり順調に進みました。
顧客課題の再定義、そして解決手段となるサービスの全体像が見えたところで役割分担をし、早速仮説検証に向けたMVP作成に着手しました。
後々考えても、ここで当初のプランにこだわらずに「イベント開催のハードルを下げる」という軸はぶらさず、潔くピボットできたのは良かったと思います。
ノってきた
<コーチング>
SWTでは、スタートアップ界隈のエキスパートがコーチとして参加してくれます。
今回は、3組のコーチから、2組を指定してコーチングを受けることができました。
私たちのチームは、最初と最後のコマにお願いすることとしました。
ヘロヘロヘタッピ
シャレオツなコンテナ打ち合わせ卓
一回目のコーチングは、
株式会社エニセンス取締役CTOの市江さん(左)と、
株式会社コンセント ユーザーエクスペリエンスアーキテクトの坂田さん(右)のお二人。
ふむふむ
コメントをいただいたものの、大きな方向転換は無く、順調に作業継続です。
no talk, all action
そして二回目のコーチングは、
NOSIGNER株式会社 代表取締役 CEOの太刀川さん(左)と、
株式会社ウェルセルフ 取締役 Co-Founderの新明さん(右)のお二人。
必死に伝えます
ここで、鋭いご指摘を受けます。
これまで順調に進んできた作業も一旦中断し、再度サービスの方向性について話し合うことになりました。
この後は、正直かなり行き詰まりました。
こちらのブログ「【サイト紹介・独自】StartupWeekendTokyo5月開催優勝プロダクトのご紹介! | HackathonPost」にもこの時の様子がこう書かれています。
2日目に、チームの状況を伺った。
当初のコンセプトからずれにずれ、(いわゆるピボット)残ったアイデアなども、迷走状態に。
途中聞いてみたはいいが、アイデアで解決ができず。
しかしその後、迷走中のチームの元へふらっとやって来た、ウェルセルフの新明さんにこう言われました。
「これだけ話し合って進まないんだったら、きっとみんなやりたくないことなんでしょ。
やりたくないことは、やっても意味ないよ。話し合ってる時間が無駄だから、どんどん手を動かしてアクションした方がいいよ。」
(大体こんな感じだったと思います。。)
この言葉にかなり背中を押されることになり、結局元の方向で進めることになりました。
そうと決まれば、爆速でこのFacebookページを作ったり、このティザーサイト公開したり、イベント告知したりと半ば勢いまかせでガンガン進みました。
公開直ぐさま、ユーザの反応が得られたときは、かなり興奮しました。
迷走を乗り越え、なんとかMVPを作成して反応も集められたところで、この日もチームで飲み会に行き、2日目終了です。
2日目おつかれさーん
読み疲れてきたあなたへ…。もうちょっとです。
<3日目>
2日目でMVP作成はできていたものの、サービスの細部が決めきれていなかったので、朝イチで事業企画書として整理しておきました。
これはイベント最後に行われる、プレゼンのネタにもなります。
気合い入れて早く着きすぎ、開場待ちでした
この日は最終プレゼンに向け、もっぱらその準備でした。
イメージを視覚的に伝えるためのティザー動画と、プレゼン資料の作成に分かれてバリバリやりました。
また、検証が足りていなかった部分についてアンケートも実施しました。
バリバリやっているの図
私たちのチームの発表は、10チーム中4番目になることに。
ユニークなチーム名たち
発表資料は、なんとか直前にできあがりました。
ギリギリまで最終確認
そんなこんなで、いよいよ発表が始まりました。
いえーい
発表は、以下の3つの観点でジャッジされます。
・EXECUTION(実行)
・BUSINESS MODEL VALIDATION(ビジネスモデルの検証)
・USER EXPERIENCE DESIGN(ユーザ経験のデザイン)
かっこいい評価観点
審査員は、
株式会社フリークアウト 取締役 COOの佐藤さん(左)
株式会社nanapi 取締役CTOの和田さん(中)
Wantedly, Inc. CTO 川崎さん(右)のお三方です。
ジャッジの3名様
緊張して他チームの発表はほとんど耳に入らない時間があっという間に過ぎ、いよいよ自チームの発表が回ってきました。
冷静に冷静に。。
引くとこんな感じです
その後、全チームの発表が終わり、審査員による総括、そして優勝チームの発表に移りました。
ドドドドドド
その結果、見事私たちのチーム名が呼ばれました!
呼ばれた!
評価ポイントとしては、ティザーサイトを作成して実際に仮説検証を行えていた点と、明日からのアクションが明確になっていた点が大きかったようです。
ほとばしるやりきった感
その後は、わたしのアドリブの利かない乾杯あいさつと共に、おつかれパーティーが始まりました。
かんぱーい
ワイワイガヤガヤ
かわいいロゴの入ったケーキ
<まとめ>
全員集合
それでは最後に、この3日間を通じて、SWTで優勝を目指す上、スタートアップをやる上で大事だと思ったポイントをまとめます。
・とりあえず早く行く
気合いの問題です。せっかく参加してるので張り切っていきましょう。
(結構時間にルーズな方が多かった印象を受けました。。)
・チームメンバのバランス
前編で触れた部分です。
役割や男女比などのバランスは進めていく中で大きく影響するので、ピッチに出ようと思ったら、どんな人と一緒にやりたいのか、あらかじめ考えておくのがいいと思います。
・軸を明確にする
目的と手段を混合せずに、サービスを通じてどんなことを実現したいのかを明確にしておくことが、時には潔いピボットに繋がるのだと思いました。
・考えてないで、とにかくアクション
限られた時間の中で、ぐるぐると空論して、頓挫しているのはもったいないと感じました。
作成したプロダクトを躊躇せずに世に発信すれば、直ぐさま反応が返ってきました。
また、検証結果が取れれば、明日から取るべきアクションも見えてきます。
・チームメンバが本当にやりたいと思えるサービスをやる
結局、これが一番大事だと思いました。
ビジョンにチームメンバの想いがガッチリ重なれば、おのずと結果に結びつくと思いました。チーム目標をきちんと設定しておくのも大事だと考えます。
また、自分たち自身がターゲットユーザーであると強いと感じました。
<次回SWT>
SWTは毎回、有志のオーガナイザーで運営されているようです。
このような素晴らしい機会を提供されていて本当に感謝です。
ありがとうございました。
頭の上がらないオーガナイザーのみなさま
次回SWTは、6/13(金)〜15(日)@麹町で開催されるようです。
少しでも興味を持った方は、難しく考えずにとりあえず申し込んでみればいいかと思います。(たぶん何とかなります。)
http://tokyo.startupweekend.org/
<最後に>
いかがでしたでしょうか。
SWTの雰囲気や、スタートアップをやる上で参考になる点があれば幸いです。
(感覚的に学んだインプットが多すぎて、言語化するのになかなか苦労しました。。)
実際に参加してみて、3日間54時間という限られた時間の中で、サービスを生み出さなければならないという環境が、このイベントの醍醐味であるように感じました。
恐らく、今回と同じアイデアを日常の中で思いついても、同じスピード感で仮説検証して形にすることはできなかったと思います。
これからは、いかにして、普段の生活の中でこのような環境を自分で作っていくのかが大切になると思いました。
今回、目標であった「優勝」を達成できたこと。
そして、MVPを作成して実際に検証できたことで、これまでの自分の枠から一歩を踏み出す貴重な経験が得られました。
学んだことを活かしつつ、どんどん失敗して、サービス共々、自分自身も成長していきます。
それでは、これからも「DOTA-SAN」をよろしくお願いします!
DOTA-SAN
〜あなたの空いた時間を楽しくするイベントキュレーションサービス〜
チームDOTA SEVEN
以上で「Startup Weekendに参加したら、優勝した。」は完結とさせていただきます。
お読みいただきありがとうございました。
早速、以前より暖めていた別のサービスも公開しました。
こちらもよろしくお願いします。。
- 作者: エリック・リース,伊藤穣一(MITメディアラボ所長),井口耕二
- 出版社/メーカー: 日経BP社
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Startup Weekendに参加したら、優勝した。(前編)
5月16日〜18日の3日間、週末の起業体験イベント「Startup Weekend Tokyo」に参加してきました。
その結果、私たちのチームが「優勝」することができましたので、
参加して気づいたことを記しておこうと思います。
ちょっと興味あるかもという方に向けて、なるべくイベントの雰囲気がわかるように書いていきます。
アルコホールの効果で顔とTシャツの赤が一体化しているのがわたしです
<目次(予定)>
(前編)
・Startup Weekendとは
・1日目
(後編)
・2日目
・3日目
・まとめ
<Startup Weekendとは>
まずStartup Weekendとは、金曜の夜から日曜にかけた54時間でスタートアップを体験する、非常にエキサイティングなイベントです。
2007年に米国で始まり、今では世界100カ国、400都市で1000回以上開催されているようです。
http://tokyo.startupweekend.org/
今回参加しようと思った理由としては、
今年の3月で4年間働いた会社を辞め、事業準備をしていましたが、スピード感を持ってなかなか具体的なアクションに踏み切れていなかったため、リーンスタートアップのようなサイクルを実践的に体験したかったことにあります。
また、知人で参加経験のある人がちらほらいたので、一度ぐらいは自分も参加しておこうかなーという気持ちもありました。
さて、今回のStartup Weekend Tokyo(以後SWT)では、参加にあたり以下3つの役割からどれかを選択することが必須でした。
・ハスラー(マネジメント、顧客開発)
・ハッカー(機能開発)
・デザイナー(デザイン)
私の前職はSIerのSEだったので、ハスラーかハッカーで迷いましたが、スタートアップのようなスピード感が求められる条件下でコーディングすることにスキル面で不安があったので、ハスラーで参加することとしました。
<1日目>
いよいよイベント当日。
少し早めに着いたため、会場はまだ準備中でした。
広ーい
会場は六本木ヒルズクロスポイントにある株式会社フリークアウトさんの超おしゃれなオフィス!
(ちなみにイベント翌日に、フリークアウトさんの上場承認が発表されておりました。。)
安西先生もびっくり
<パーティー>
早速イベント開始!
ファシリテーターの羽渕さん
まず、ゆるい雰囲気でパーティが始まりました。
お酒や料理が並び、参加者同士が自由に交流できる時間です。
最初はちょっとモジモジしていましたが、途中で、
「え…、この時間って後々めっちゃ重要になるのでは?」
と思いました。
なぜならこの中の誰かとチームを組み、三日間を過ごすことになるのですから。
そこでまず思ったことは、
「そうだ!女性に話しかけよう!」
でしたw
しょーもないと思うかもしれませんが、これにはそれなりの理由がありました。
私の経験として、チーム運営上、女性がいたほうが柔軟なアイデアが出たり、活気がでたり、いいことづくしだと思ったのです。
<ミニゲーム>
パーティが終わった後は、ランダムに結成されたチームに別れてミニゲームが始まりました。
内容は、適当に出された名詞と動詞・形容詞を組み合わせてサービスを考えるというものです。
わたしたちのチームは、「はぶち」(ファシリテーターの方のお名前)と「罵倒」というキーワードから連想しました。
その結果、発想したサービス「ドMはぶち.com」。
素晴らしいプレゼンのおかげでミニゲームで勝利
これは、ストレスの溜まっている人と、罵倒されたいドM気質の人を電話でマッチングするという「斉藤さん」的なサービスですw(ちなみに異性と組み合わされます)
<ピッチ>
アイスブレークが終わったところで、いよいよ参加者によるピッチが始まります。
本イベントでは、各々が考えてきたアイデアを60秒間で発表し、共感したアイデアに投票してチームを組む形になります。
わたしは当初ピッチする予定はありませんでしたが、参加者と話すうちに、
「せっかく参加したんだし、自分もやっぱやっておこう。(失うものはなにもない!)」
とやる気になりました。
前々から考えていたアイデアがあったので、みんなの反応を見てみたかったというのが大きいです。
自分の番は、なんとトリの36番目。ラッキーでした。
ちなみに、このとき話したアイデアは、
「トリッピースのイベント版」です。
ドキドキ のピッチ
ピッチ後の投票では、3枚の投票権をいいと思ったアイデアに投票します。
自分のアイデアに入れることも認められていたので、わたしはもちろん一瞬の迷いもなく、すべて自分のアイデアに投票しました。
その結果、37アイデア(急遽1アイデア追加)から、12アイデアへと厳選される中に残ることができました!
結構集まった!
本当に自分のアイデアに参加してくれる人がいるのか不安でしたが、
自分の元に集まる方々を見て、かなりうれしかったと共に、
「ヤバい。。これ後には引けないやつだ。。」という若干のプレッシャーも感じたのでした。。
<チーム結成>
このリア充感
結果的に私のチームは、以下の構成となりました。
・ハスラー×5
・ハッカー×1
・デザイナー×1
(男性×5名、女性×2名)
各々バックグラウンドも多様な感じでしたが、「イベント主催経験がある」という大きな共通点があるメンバが集まりました。
(ちなみに、女性メンバはピッチ前にごあいさつしていたお二人でした...!)
この日はその後、早速チームで六本木の街へ繰り出したのでした。。
<ここまでのまとめ>
・フリークアウトさんのオフィスは超おしゃれ!
・パーティでは、女性に声を掛けろ!
後編へ続く。。。
(後編はもっと、実践的でためになることを書きたいと思います...。)
勝ち続けるということ。
プロゲーマー、梅原大吾さんをご存知でしょうか。
知らないという方、まずは下の動画をご覧下さい。(かっこいいです。)
上の動画にも少し出てきましたが、梅原さんの名が知れ渡った「背水の逆転劇」と言われる有名な戦闘シーンについて、こちらでそのすごさを解説してあります。
Street Fighter Umehara Daigo History 2010 (English Subs) FULL TRANSLATION Part 1
「背水の逆転劇」の対戦動画はなんと、全世界で2000万回超の総視聴回数に達したそうです!
私が梅原さんを知るきっかけとなったのは、ブロガーちきりんさんの記事でした。同じく掲載されていた対戦動画を見たとき、衝撃を受けました。
大会という緊張感、そして観客の興奮や期待、プレッシャー、様々な状況下の中で、あれだけのテクニックを発揮できるのは相当な技術があることはもちろん、並大抵な精神力じゃないな、この方は。と感じたのです。
ゲームにあまりピンと来ない人も、部活や習い事の大会や発表会、試験などの場面で持っている実力を全て出すことがいかに難しいか、ということを感じたことがあるでしょう。
そこで大切なのは、きっと、実力だけでなく、いかに心を落ち着かせて最大のパフォーマンスを出せるかという、精神面の影響が大きいのではないでしょうか。
「勝つこと」、「勝ち続けること」
そんなわけで、梅原さんとはいったいどんな人なんだろう、と興味を持ち『勝ち続ける意志力 世界一プロ・ゲーマーの「仕事術」 (小学館101新書)』を読ました。もちろんKindle版で。(Kindle版安かったです。)
(本版もありますが。→勝ち続ける意志力 (小学館101新書) )
この本では、「勝つこと」と、「勝ち続けること」が、実はぜんぜん違うことであり、時には相反するものにさえなるということがわかります。
大会に参加する多くのプレイヤーは、結果を出すことに必死になります。大会に向けて練習を重ね、その結果に一喜一憂します。
しかし、梅原さんにとっては大会で勝つことが全てではないのです。勝つことではなく、自分自身が成長し続けることを人生の目的にして、努力を続けているのです。だから、大会の結果で大きく喜んだり、落ち込んだりすることはあまりないと言っています。
それよりも、努力の過程で得られる小さな成長や変化を大切にしており、そのスタンスを継続することが、結果として「勝ち続ける」ことに繋がっているのです。
そういった人生観や、努力をし続けたという揺るぎない自信を持っているから、大会でも場の雰囲気に飲み込まれずに、動画にあるような驚愕のプレイをすることができるのだと思います。
Adversity makes a man wise.(艱難汝を玉にす)
これと同じことが、他の様々なことにも言えるのではないでしょうか。
目先の成果を出すことに集中するのではなく、長期的な視野をもって取り組んだことのほうが、結果として大きな成果に結びつくように感じます。
例えば、普段勉強をあまりしない人でも、一夜漬けをがんばればテストでいい点数を取れるかもしれません。でも、それは「テストでいい点を取る」という目先の成果にこだわっただけで、自分の本当の実力としては、なかなか身につかないのではないでしょうか。
それよりも、継続した努力を普段からしている人の方が、地道に力を蓄えて、結果として人間的に大きな成長ができるのだと思います。
楽な道を選んで、結果を出せることは一見魅力的です。しかし、長期的な成長に重きを置くのであれば、そのような道は選ぶべきではないのでしょうね。そんなことを梅原さんから気づかされました。